基調講演T

『長良川に徳山ダムの水を流す「木曽川水系連絡導水路計画」の問題点と現状』
武藤 仁 (「長良川に徳山ダムの水はいらない市民学習会」事務局長 )


1995年に運用開始した長良川河口堰の水は現在1割程度しか使われていない。
そして現在最大需要量の1.8倍の余裕があるのにさらに徳山ダムが造られ無駄を重ねてきた。
今度はその徳山ダムの水を無理やり使うために新たに
長良川や木曽川に水を引き込む連絡導水路の建設が進められている。

この計画は国と愛知・岐阜・三重・名古屋市の3県1市が
総事業費890億円をかけて徳山ダムの下流、揖斐川の西平ダムから
長良川を経て犬山上流の木曽川に口径4m、延長43kmの導水路を造り
毎秒20?を流すもので、もともと無駄だった徳山ダムに「無駄を重ねる事業」である。

ところが07年に突然この導水の一部を(平常時毎秒0.7トン、渇水時4,7トン)
長良川に放流する計画が発表され流された水は、
下流の岐阜県海津市で背割提を越し木曽川に送り
名古屋市工業用水として利用されることになった。

その目的は渇水による長良川及び木曽川の
河川環境悪化の改善と新規の利水としているが、
平成6年の渇水の時にも被害の確認はされておらず、
アユの産卵や木曽川のヤマトシジミへの影響もなかったことが
研究者から報告され、またあらたな水需要もない。

また、この導水路は下流域の自治体や政党、漁協などから
まったく要請がないだけでなく、
計画そのものが知らされないまま進められてきた。

これらの点を含め当局に「導水路建設するための
根拠を情報公開せよ」と要請しても全く応じない、
「議事録を出せ」と言っても「無い」という状況である。
応じないというより応じられないということなのでしょう。

とにかく自分たちに都合の良い理由をつけ建設し税金を無駄遣いする
連絡導水路計画は絶対に許せない。


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