長良川下流域環境観察会 2023年5月28日
長良川河口堰建設に反対する会からスタッフとして参加しました
観察会の様子を報告します
観察したのは下記の3か所です
午前中は揖斐川と長良川の河口堰周辺の環境比較調査です
最初は揖斐川と長良川の砂泥底の比較
河口から4キロ地点の川底の砂泥を採取
こちらは揖斐川で水深3.0mで採取したもの
きれいな砂が取れ、かなりの数のシジミを見ることができます
こちらは長良川、水深4.1mで採取したもの
酸化還元電位は−281で酸素が無い状態です
2つを並べて比較してみました
左が揖斐川、右が長良川です
シジミの数はまったく違います
千藤先生によれば、長良川にはシジミが、ほぼいないので
増水などで揖斐川から長良川に流されてきた可能性もあるとのことでした
次は閘門をくぐり抜けて、河口堰上流へ移動
ヨシ原等を観察します
水位調整中
上流部のヨシ原
河口堰建設前は広大なヨシ原でした
水の干満が無くなり水没したり、河口堰上流の浚渫で泥がえぐられ倒れたりして
現在はこの状態になってしまいました
観察指導をお願いしている千藤先生から原因などの説明を受けました
ヨシ原が無くなった代わりに地表部には、オギなどが繁茂
樹木林になり、ヨシ原に生息する鳥などに影響を与えています
淡水湖状態になったところでは、バス釣りの風景も見られました
こちらは長良導水取水口
ここから知多半島の飲料水として送られます
セントレアもここの水です
午後からは、河口から10キロ地点に移動
背割り堤を挟んで、長良川と揖斐川のカニの採取調査です
こちらは長良川の川岸です
こちらは揖斐川の河川敷広大なヨシ原になっていて全く雰囲気が違います
カニの採取の方法は全員で5分間採取し、数などを比較します
こちらが長良川
こちらが揖斐川
驚くしか無いほどの数の違いです
結果は、長良川が3匹(クロベンケイガニ雌2、雄1)
揖斐川は88匹(クロベンケイガニ雄7、雌13、ベンケイガニ雌38、雄30)でした
最後は木曽三川公園のP3駐車場(立田大橋西詰北側)で木曽川との環境調査です
この日は午後から風が出るとの予報で、乗船を午前に変更
そのため、木曽川観察が午後になり、干潮ではなく水位が高くて、長靴を用意してきましたが川の中に入るのも一苦労
それでもなんとかイトメを採取、イトメは泥の中に酸素を送り込んだり、
有機物の分解による河川の浄化の役目、様々な生き物の餌にもなるため、
イトメのいなくなったすぐとなりの長良川では環境悪化に繋がる恐れがあるそうです。
こうして観察してくると汽水域や感潮域といった環境がいかに大切なものであるかがよくわかります