愛知県知事選挙立候補者の皆様へ
長良川救済のための、長良川河口堰に関する公開質問状と御回答のお願い



長良川河口堰建設に反対する会
代表 天野礼子
               
愛知県事務局 
連絡先 090−1449−8694

 愛知県知事選挙立候補者の皆様におかれましては、日夜御奮闘されていることに対し、敬意を表します。
 長良川河口堰は、1960年に長良川河口ダム構想として発表されてから多くの反対運動の中、
1840億円(当時)という巨費を投じ、88年に着工、建設が進められ、
95年7月に本格運用が開始され、今年で12年が過ぎようとしています。

 この河口堰については、国会を二分する全国的な建設反対運動の中で、
利水面、環境面、治水面について多くの問題点が指摘され続けてきましたが、
この12年間の本格運用の間に、その指摘が正しかったことが、次々と証明されてきました。

 利水面では、毎秒22.5トンの取水計画のうち、本来の目的であった工業用水については一滴も売れず、
水道水として愛知県において知多地方に毎秒1.6トンを地元住民の意志を無視して強引に給水していますが、
「くさくて」「まずく」「環境ホルモンの濃度が高い」ということで、
取水を従来の木曽川の水に戻せという声が次第に大きくなってきているというのが現実です。

 環境面では、堰直下から、揖斐長良大橋間の約3キロメートルに渡り、
2メートルから最大約4メートルの厚さにヘドロが堆積し、
「環境ホルモン」の危険性が科学者から指摘されています。
また、ヤマトシジミは全滅、天然アユや絶滅危惧種であったサツキマスも漁獲量が激減するとともに、
長良川3漁協の入漁料も減り、赤字に転落しています。

 宮内庁の鵜匠によって執り行われる1300年の伝統を誇る長良川鵜飼いや観光業の凋落も目立ち、
長良川3漁協の関係者や多くの組合員、地元の観光業者などはゲートを開放してほしいと訴えています。

 治水面では、巨大な構造物の存在は、洪水、台風、高潮、および直下を走る活断層や
東海・東南海を震源とする巨大地震が起きた時には
かえって治水上大変危険なものになるのではと心配されています。

 一方、治水のための措置をとったために生じる塩害を防止するためだけならば、
河口堰以外の代替案で事足りることが明らかになっているのです。

 こうして、運用後も常に見つめ続けられてきた長良川河口堰ですが、
民主党は、菅直人氏も鳩山由紀夫氏も前原氏も代表時に「政権をとったら運用を見直す」とされ、
共産党は建設計画当初から反対されてきました。
研究者や多くの人々からは現在、河口堰のあり方について見直す気運が次第に高まってきています。

 今回の愛知県知事選挙にあたり、「長良川河口堰建設に反対する会」では、
"日本の無駄な公共事業の象徴"とマスコミから称された長良川河口堰について
どのように考えておられるのかを伺い、候補者の皆さまの、
長良川という日本有数の貴重な自然の財産が瀕死であることに象徴される環境問題に対する姿勢や、
岐阜県で明らかになった官製談合等の問題に表されるような現在の公共事業のあり方に対する姿勢を、
愛知県民にお知らせし選挙時の判断材料の一つにしていただき、
また私たちのゲートを上げる運動にも役立てたいと考えました。

 お忙しい中恐縮ですが、なにとぞ御回答の程、よろしくお願い申し上げます。

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長良川河口堰に関する公開質問状・回答書
                                  年    月    日
        
                                 候補者お名前
     
                           回答返送責任者お名前
                  
                                連絡先電話番号

以下のいずれかに〇印をつけ、できれば理由も御記入下さい

(1)「水需要」が実際はなかったことが明らかになった長良川河口堰の運用は、
まちがっていたと思いませんか。
   ・まちがっていた    ・まちがっていなかった     ・わからない
  【理由】



(2)「水需要」がなく、「治水上」も代替案が検討できるとすれば、河口堰のゲートを上げて、
長良川を「1300年の鵜飼いの歴史」を誇る"自然河川"にもどし、
「世界歴史遺産」にすべきだとは思いませんか(岐阜市が立候補を検討しています)。
   ・思う       ・思わない        ・わからない
  【理由】



(3)あなたが愛知県知事になれば、
知多地方の人々が「臭くて」「まずくて」「環境ホルモンの危険性が高いのでこわい」と言っている
長良川河口堰の水の運用を見直すことを検討しますか。
   ・検討する     ・検討しない       ・わからない
  【理由】




・ この公開質問状は、全候補予定者に送付させていただきました。
・ 御多忙中のことと思いますが、1月16日までに同封の返信用封筒にて御回答下さいますようお願い申し上げます。
・ 尚、御回答はそのまま報道機関に発表し、同時に本会の「会報」およびホームページに掲載致します。

長良川河口堰建設に反対する会