「私達の手で政治を変えよう」

天野礼子


 つぶれかかった寄り合い所帯の”自公保”公共事業推進政権が、小泉ショックでよみがえった。
 小泉氏は確かに「マイナス成長も覚悟して”財政改革”を」というが、一人狼の時は言っていた「不必要な公共事業をやめよ」は総理になると言わなくなり、代わりに「首相公選」や「憲法改正(?)」など、特にいそぐ必要もないことを声高に言い始めた。危ない。危ない。

 マスコミは”田中ちゃん(田中康夫)”が「脱ダム宣言」をすると「ヒットラーだ」と批判したが、どうして小泉氏が「靖国参拝」と言っても、あるいは「九条改憲」と言っていたのを次の日にはトーンダウンしても、「怪しい」と書き立てないのか。危ない。危ない。

 私達は今こそ、自分で目を見張り、耳をすまそう。
 ところで。ネットワークが資金不足で出せない間に、世の中はずいぶん動いた。

@12月17日の九段会館のシンポジウムには650名の参加があり、オランダの河口堰のゲートを上げる役人スタン・カークホフス氏がオランダ政府の派遣でやってきてくれた。
同じくオランダからのカーステン・シュイジ女史は、費用対効果の重要性を教えてくれた。(全文はこのホームページに載っています)
ドイツ・アメリカからは昨年の出席者がより新しい情報を伝えてくれた。

A私達のこのシンポには、野党第一党の党首である鳩山由紀夫氏が出席し、最前列に一人座り、7時間もメモを取り続けていた。
 私はこの姿を見て、民主党全体はまだ動いていないかもしれないが、少なくともこの人は本気だと感じることができた。

B田中長野県知事が、2月20日に”脱ダム”宣言。その手法をマスコミは批判したが、あんな重要なことを、議会や建設省からの土木部長や裏切り秘書に相談できるはずがないではないか。
 むしろ注目すべきは、”田中ちゃん”が、公共事業のシステムにずばり切り込むためにダムを選び、「地方が求め」、「中央がバラまいてきた」公共事業が、日本の財政をここまで貧困にしたことを指摘したことであろう。

C自民党が総裁選をオープンで行い、4人の中で一人だけ「20世紀の開発」を問うていた小泉氏が圧倒的勝利をし、89%の国民の支持率を得るに至った。
 マスコミは書かないが、私はこれを”田中ちゃん”効果だと確信している。
 私たち長良川が世に広めてきた欧米の変革、「不必要な事業をやめ、必要な事業に金をまわすこと」が、今の日本には一番大切であることを、国民の多くがもうわかり始めたと見るべきなのだ。栃木でも千葉でも、それが大きな風となったのだ。

D建設省河川局でさえ、その風には抵抗できない。私たちの国際シンポの翌日12月18日には、朝日新聞が全国版で、翌日、河川審議会が「これからは、”あふれてもよい治水”を提言する」ことをスクープした(私はこれを河川局のリークと考えていて、勝手に、私達へのプレゼントだと解釈している)。

さあ。世の中はこれからどうころぶか。わかっていることは、世界の潮流に、もはや河川局(今は国土交通省)は逆行できないということだ。(それでも、河川局は2003年に日本で主催する”世界水フォーラム”で、「21世紀は水争いの世紀。だからやっぱりダムは必要」とやるつもりなのだ。)

民主党は、連休明けに長良川河口堰のゲートを上げることをあらためて小泉政権に提案するという。
五十嵐敬喜氏や私が委員を務める「公共事業を国民の手に取り戻す委員会」(鳩山代表の特別諮問機関)も連休明けに、最終報告書と公共事業を変革する四つの法案、「緑のダム法案」「公共事業基本法」などを提出する。

7月7日、8日には、田中康夫長野県知事が”長良川DAY”に二日間出席する。”脱ダム”に賛同する人は、大挙してここへ集合してほしい。雨天決行!
そして7月29日の選挙時には、あの自民党員たちでさえやったことを、私達も全国で実行しよう。
自分達のための政治体制を、自分達で作り上げるのだ。
7月29日は、あなたの一票が「公共事業」を変革する日だ。”長良川”はその日のために、田中康夫(ヤッシー)を”長良川DAY”のゲストに迎える。


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