大阪府の抱える三つのダム事業について、「公共事業チェックを求めるNGOの会」「槙尾川ダムの見直しを考える連絡会」「紀伊丹生川ダム建設を考える会」が、大阪府の参議院選候補者に対して公開質問を実施し、7月26日に大阪府庁記者クラブにて候補者の回答を記者発表しましたので公開します



第19回参議院議員選挙立候補者(大阪府選挙区)に対する
「安威川ダム」「槙尾川ダム」「紀伊丹生川ダム」建設についての
公開質問状への回答

・2001年7月18日発送(速達郵便)  
・2001年7月24日締め切り   
・回答が送付された順に掲載  

立候補者名

1,「安威川ダム」

2,「槙尾川ダム」

3,「紀伊丹生川」

4、今後は

中谷隆一 

新 風

(7月19日受け)

・中止を含めて再検討

理由:財政事情と年月の経過による環境の変化

・中止も含めて再検討

理由:財政事情と必要度の再検討の必要性による

・   規模縮小して建設

理由:紀ノ川水系の洪水調節並びに上水道源として必要性は有

過密都市の推進を計る公共事業は再考の余地ある。自然災害は予知して防止せねばならぬ。環境破壊との接点を低く計る必要がある。

柏本景司

新社会党

(7月20日受け)

・中止

理由:安威川にはオオサンショウウオ、アジメドジョウ、オオタカの貴重な生態系が残されている。また、茨木市民をはじめ近隣市民にとってもいこいの場所であり,環境破壊のダムに反対である。活断層・採石場・基礎岩盤の劣悪なことなど問題点が山積している。

・中止         ・中止

≪三つのダムを中止する共通の理由≫

治水・利水のためのダムは、すでに時代遅れの考えであり、緑のダム・遊水地を含めた治水方法を、市民も入れて考えるべきである。利水については、水需要そのものが過大なものとなっており、わざわざダムで確保する必要はない。

財政的にも莫大な経費を必要とするダムは、ムダである。

いずれのダムも貴重な自然を破壊することから、反対である。

ゼネコンだけがうるおうダムなどの巨大公共事業中心のやり方を改め、保育所・特別養護老人ホームなどの生活・福祉型の公共事業に転換すべきである。この観点から、必要性の高い事業、費用対効果のあるものに限定して進めるべきである。

谷川秀善

自民党

(7月21日受け)

・建設

理由:北摂地域(氾濫区域内30万人)の治水事業として必要と考えています。

・  建設

理由:槙尾川は過去2回にわたって浸水被害が発生している。地域の治水のため早期に実現すべきである。

・中止も含めて再検討

理由:治水・利水については、一時の状況だけではなく、100年単位の長期の展望を立てるべきである。また「紀伊丹生川ダム」の場合は和歌山県と充分に協議しなければならない。

 現在進行中の事業は再評価委員会などで慎重に検討し、その結論によっては、勇気を持って処置しなければならないと思う。新しい事業の内箱ものと言われる事業は、よほど慎重に扱わなければならない。

山下よしき

共産党

(7月22日受け)

・  中止

理由:府営水道の水源としては、大阪府の水需要予測は過大であり、大阪全体の現在の供給能力で十分対応でき、新たなダム建設の必要はない。洪水対策としては、里山を含む貴重な緑と自然を破壊するダム建設ではなく、総合的な治水対策をすすめるべき。

・中止

理由:治水対策は森林の保全・河川の改修、遊水地などを実施すべきであり、ダムを建設する必要はない。

・  中止

理由:大阪府と和歌山市の水資源対策としての必要性は破綻している。県が名勝と指定している玉川峡をダム建設によって破壊することは許されない。

 ムダな公共事業を中止し、公共事業費の総額を段階的に半分に減らす。しかも、公共事業の中身を住宅・特養ホーム、保育所の建設など生活関連優先に転換する。

 ダム建設については、党ダム問題プロジェクトチームが全国のダム計画を調査し、「無駄と環境破壊のダム事業の本格的な見直しを求める―ダム事業に関する6つの提言」を発表している。

山本たかし

民主党

(7月24日受け)

・中止を含めて再検討

理由:計画決定から30年以上も経過しており、大阪府の財政危機や水利用計画の変化もあり、下流域の内水対策も前進していることから、ダムに変わる治水についても検討すべきです。

・中止

理由:既定の方針だけにこだわらず、大津川水系のより良い治水事業のあり方について検討を進めます。一般的に、現行の国の補助制度のもとでは「道路がほしいからダム」という発想になりがちです。結果的にダムよりも事業費が高くついても、100年に1度しか効力を発揮しないダム建設よりも、100年のうち99年間市民が楽しめる遊水地公園を選択するのも一つの考え方です。

・中止

理由:大阪府の安定した第2水源確保のための紀ノ川利水の意義については理解します。しかし、紀ノ川利水の必要性と、紀伊丹生川ダムの必要性は別問題です。大阪府が紀ノ川から必要な水量はあと1日10万トンだと宣言しています。10万トンのために総工費1560億円、府営水道負担分だけで500億円以上の事業が必要なのか疑問です。ダム建設計画を見直し、ダムなしでの紀ノ川利水の新たな方策をめざします。

市民生活にとって必要なインフラ整備と不必要な事業とをはっきり峻別して、ムダなものは中止して財源を有効に活用していくことが必要です。とくに大阪市及びその周辺市域に広がる木造密集市街地にみられるような都市基盤施設の未整備な市街地が多く生み出されていることから、手ごろで良質な居住環境や道路整備を含む総合的な交通体系の整備は、今後の大阪の公共事業にとっての大きなテーマです。

白浜一良

公明党

(7月24日受け)

質問項目1、2、3

情報開示と、住民の合意を前提に、事業のあり方を検討すべきであると考えます。

4、公共事業の問題点は、必要なところに必要な予算が回ってこないことにあると思います。GDP比6%という、欧米の先進諸国の約3倍にものぼる公共事業費をつかいながら、わが街・大阪においても、道路の慢性的な渋滞や、開かずの踏み切り、段差のある歩道など、快適で住みよい街づくりのための社会資本整備は十分とはいえません。この状況を改善するためには、まず、公共事業のムダをなくすことです。公明党は昨年、272の公共事業の中止を実現するなど公共事業の見直しを進めているところです。

その上で、街のバリアフリー化などの生活関連公共事業の拡充とともに、公共事業費を5年間で20%削減するなどの抜本的な改革に取り組み、環境と調和した効果的な社会資本整備を推進します。

土井和子

回答なし

大川智彦

回答なし

森本享佐

回答なし

渡邊義彦

回答なし

北岡隆浩

回答なし


公共事業チェックを求めるNGOの会
(安威川ダム反対市民の会・槙尾川ダムの見直しを求める連絡会・紀伊丹生川ダム建設を考える会)


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