天野礼子著「いらない」に対する農林水産省の申し入れに対する回答

2001年11月6日
回答者 天野礼子


農林水産省大臣官房広報室長
      稲田光殿

天野礼子は、天野の「いらない」について、2001年8月30日、貴殿からの申し入れを、株式会社集英社を通じて受け取りました。天野の私事ですが、身内の介護・死亡、葬儀により多忙となり、返信が遅くなったことをまず、おことわりします。
次に、天野に対しての貴省の申し入れが集英社社長あてになっていることについて、抗議いたします。
今回の本の文責は、すべて筆者天野礼子にあるにもかかわらず、貴省が集英社社長あてにされたことは、貴省がどう弁解されても天野への言論弾圧に他なりません。
なお貴殿は、この申し入れおよび回答について、貴殿らのホームページに掲載したいとのことでありますが、それならば最初から天野宛てにその旨を伝え、双方がネット上でやり取りを行なえばよかったのです。天野としても、ぜひ一字たりとも省略することなく、そのような処置をとられるよう要望します。
さて貴殿らは、天野の「いらない」について、事実と異なるとして記事の訂正を求めています。
そこで、論点をはっきりさせるために、まず、天野および国民に対して、次の事項に回答してください。その回答をいただきました上で、個別の論点につき、天野の回答をお送りします。


農林水産省
農村振興局事業計画課長  斉藤晴美殿
農村振興局農地整備課長  南部明弘殿
1. 貴殿らは今でも「諫早湾の干拓事業」について、正当かつ必要と考えているのでしょうか。
2. 貴殿らが派勤する農林水産省は最近、同事業に対して重要な変更を行なうことにしました。
それは何故でしょうか。
3.天野はこの事業についてたえず「無駄ではなかったか」と検証し続けていくつもりです。
   そこで教えて下さい。もしそれが実証された場合、膨大な国民の税金を無駄にし、国民共有の          環境を破壊した責任は誰が取るのでしょうか。
  貴殿らは責任を引き受ける準備があるのでしょうか。


農林水産省
林野庁経営企画課長  島田泰助殿
林野庁整備課長    関  厚殿
1.貴殿らはこれまでの林野行政について、今でも正当かつ必要と考えられているのでしょうか。
2.貴殿らは林野庁がこれだけの借金を抱えた原因、山がこれほどまでに荒れ果ててしまった原因についてどのようにお考えでしょうか。
3.貴殿らの申し入れ書にもあるように、最近林野庁は大規模林道について見直しを行なっています。
そこで次の点について解答してください。
・これらの計画は誰がどのようにして作ったのか。
・見直しの理由は何か。
・間違っていたと思う事業はなかったのか。
・国民の税金を使い、環境を破壊してきた責任は誰がどのようにしてとるのか。
・貴殿らはこれまでの林野行政について責任を引き受けるのでしょうか。


農林水産省
水産庁増殖推進部研究指導課長  中前 明殿
水産庁増殖推進部栽培養殖課長  井貫晴元殿
1. 貴殿らは今でも諫早湾干拓事業について、正当かつ必要と考えているのでしょうか。
2. 農林水産省は最近この事業について重大な見直しを行なうと発表しました。その理由は何故と考えているでしょうか。
3. 水産庁および環境庁はこの事業に対してどのように関わってきたのでしょうか。
賛成だったのでしょうか、反対だったのでしょうか。
いずれの立場にたってきたにせよ、どのような行動をとりえ、それは実現したのでしょうか。
4. この事業は無駄な事業として国民の強い批判があります。貴殿らは個人としてどのようにお考えでしょうか。
この事業には莫大な税金が投資され、また、環境が破壊されました。
その責任は誰が、どのように取るのでしょうか。
貴殿らはそれを引き受ける準備があるでしょうか。


以上の諸点に対する貴殿らの誠実な回答をお待ちいたします。
この書簡および貴殿らからの最初の申し入れは、天野礼子が代表を務める「公共事業チェックを求めるNGOの会」の協力を得、そのホームページ上で公開すると共に、集英社より、貴省宛てにこの書簡を郵送してもらいますが、今後のやり取りは双方がホームページ上で公開し、国民の審判を仰ぎたいと考えます。
本来ならば、そちらが勝手に公開質問状をそちらのホームページに、天野にも集英社へも断わりの一つも無く載せられたことは問題であると思われますが、そちらがそうされたので、こちらもこの回答を、集英社よりの返信送付と同時に、ホームページ上で掲載しますので、その点を了承ください。
しかしながら貴殿らは、建設省河川局が、朝日新聞「窓」に掲載された「建設省のウソ」というコラムに対して朝日新聞社論説委員室に論争を挑み、双方にとって無駄な時間と労力が費やされたことをご承知なかったのでしょうか。貴省は、貴省の怠慢により後手にまわった狂牛病対応や、今また諫早対応で超多忙のはず。天野礼子も小泉改革のゆくえのウォッチングで同様です。貴省は国民の血税で労働されているのですから、このような論争で無駄な税金を浪費せず、本来のやるべき仕事に早急に取り組まれることを何よりも切望します。
そちらからの返答は「公共事業チェックを求めるNGOの会」kjc@mx1.ktroad.ne.jp へ、
「天野礼子」宛て、送付ください。
 尚、この件については、「弁護士 五十嵐敬喜氏」と「衆議院議員 筒井信隆氏」とに相談をしております。


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