市民が質す公開質問会 民主党代表選全候補者に問う 
候補者へのアンケート結果


2002.9.5

当日の議論の詳細は 市民版憲法調査会 http://www.kenpou.com/


問1.公共事業をどうするか?
菅直人 民主党政権樹立後、直ちに諫早湾の水門を開け、川辺川ダム計画を中止。公共事業中期計画をすべて見直し、需要予測等の結果を開示し、不要な事業はすべて中止する。コンクリートのダムに代わり、森林や芝生を造成し、川辺の自然を回復する「緑のダム事業」を推進する。道路を借金で作るのはやめて必要なものだけ税金で作る。道路公団は廃止し、高速道路はすべて一定期間後に無料化する。電子入札による一般競争入札を原則とする
野田佳彦 厚底靴経済を生み出した従来型のバラマキ公共投資から、雇用創出につながる教育、福祉、情報関連分野へと公共投資の大胆な転換をはかる。港湾、住宅、道路、公園など17本にもわたる公共事業関係長期計画を一本化し、「あれもこれも」つくるのではなく、「あれかこれか」を厳しく選択する。おのずと整備新幹線など不要不急の事業は凍結する
鳩山由紀夫 私の諮問への答申でもある「公共事業を国民の手に取り戻す委員会」中間・最終報告に基づき対応。
地域主権が鍵。事業の必要性は、ゼロベースで地方(住民参加含む)の判断に委ねる。国は今後計画策定しない。公共事業実施主体は原則地方。国庫補助金は廃止し一括交付金として地方に交付。使い道は地方の自主創意に任せるが、人件費比率の高い福祉などヒューマン・サービスの方が雇用増には有効。道路特定財源は2年間の時限措置として一般財源化。
横路孝弘 我國の公共事業は、対GDP8%、國、自治体で40兆円もあり、ヨーロッパ諸国などに比べても膨大すぎる。大規模な直轄事業は凍結をして、教育や社会保障分野への投資を充実させる。上下水道の整備費や老朽化した公営住宅などのエレベーター設置など、生活に密着した身の回りの為の公共事業をすすめることが必要。長期計画、シェア配分は止める。地方に財源を移して、自主的な計画のもとに必要なインフラの整備を可能にさせる。
問2.経済再生の方法
菅直人 無駄な予算を削り、燃料電池などのクリーン・エネルギーの開発や自然の回復など環境と調和し生活を豊かにする新しい需要の開拓に予算を重点的に振り向けることで、財政再建と経済の活性化を同時に達成する。経営責任の厳格化を前提に一時国有化や公的資金投入による金融大手術を断行し、株式などリスク資産への相続税軽減等により資本市場を活性化する。雇用年齢差別を禁止し、中高年の再雇用のチャンスを飛躍的に拡大する。
野田佳彦 経済再生の基本は、健全な市場原理が機能すること、そして、そのための環境を整備することが必要である。そのためには、自由な経済活動にブレーキをかけている、さまざまな経済的規制を撤廃する。具体的にはすべての経済的規制に期限を設け、延長する場合は、政府からの説明責任を明確にする。また、不透明な商慣行や不公正な取引を是正するために、独禁法の抜本的な改正および公正取引委員会の権限強化を図る
鳩山由紀夫 GDPの7割を越える民間需要刺激が鍵。特に、@勤労者・自営業者世帯の家計消費と民間住宅
A潜在力ある中小企業の設備投資。@は、将来不安(年金、雇用、医療)の解消、家計負担(医療、介護費、住宅費、教育費)軽減による可処分所得増、休日増、労働分担見直し等による可処分時間増などの家計支援を充実。Aは、貸剥し解消(無形資産の積極評価等)、融資条件の改善(個人保証廃止等)、直接金融促進などの資金調達環境を改善。
横路孝弘 今、私たちはどういう基盤を作らなければならないか。環境のためのリサイクル、自然エネルギー、燃料電池などの開発。安心して暮らす為の、医療や福祉、介護などの個人のためのサービス整備など、公共事業より経済波及効果の高い分野の基盤整備費に、資金を投入することにより雇用を拡大させ、児童手当や雇用保険の給付を充実させることと併せて、消費活動を促進させること。サプライサイドではなく、需要の喚起を促すことが必要。
問3.あなたの憲法観
菅直人 民主党政権一期目の4年間は、タブーを設けず憲法議論を尽くす。その間に国民的な合意が得られそうな論点を絞り込む。個人的には、環境権、情報公開と個人情報保護は憲法に加え、道州制の導入を前提に州法制定権など地方主権を確立すべきと考える。「戦争放棄」という9条の基本的理念は堅持し、自衛隊は「専守防衛」を目的として海外に出兵しないこと、一方で国連による国際平和維持活動には積極的に貢献することを明記すべき。
野田佳彦 日本国憲法の3つの基本精神、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」はこれからも大切にしていけべき。その一方で不都合があるならば柔軟に改正すべきであり、とりわけ以下が重要。
・ 一切の侵略戦争を放棄した上で、自衛隊の存在を憲法に明確に位置づけ、有事への対応やシビリアンコントロールに万全を期す。
・ 「環境権」「プライバシーの権利」「知る権利」など、新生日本のデザインに不可欠な新しい概念をしっかりと憲法に明記する。
鳩山由紀夫 民主党の憲法調査会が私の諮問機関として、1999年12月24日にスタートした。旧態依然の護憲・改憲論争を乗りこえて、「論憲」の立場を議論の土台として取り組んできた。中間報告が2001年12月に提出され、注目を浴びた。そして、この7月29日、中野寛成座長が「さらなる論憲をすすめて、創憲へ」を基本的姿勢とした最終報告書を提出された。今後、この報告書を尊重し議論を進めてゆきたい
横路孝弘 日本国憲法は国の理想と、国の根幹を定めたものです。特に前文と9条は、二十一世紀にこそ生かされるべきです。改正すれば軍事的な安全保障論になり、徴兵制や非核三原則など、我国が国是としてきたことに変更の余地を与えてしまうことになります。歯止めが
あったからこそ、軍事産業を生産のベースにすることなく、民事産業の電機や自動車などで世界から評価されてきた事実は重く認識されなければなりません。
略暦
菅直人 1946年山口県生まれ。東工大理学部卒。弁理士。'74年、参院全国区に市川房枝さんを擁立、当選させる。'78年、社会民主連合を結成、副代表。3度の落選を経て、'80年衆院初当選以来、"市民派議員"として活躍。'94年、新党さきがけ入党、政調会長。'96年、厚生大臣に就任、薬害エイズ問題を徹底究明する。同年、鳩山由紀夫氏らと民主党結成、共同代表。'98年、新民主党代表。'99年、政策調査会長。'00年より幹事長。
野田佳彦 野田よしひこ 現在45歳 家族は父、妻、長男(10歳)、次男(7歳) 衆議院内閣委員会筆頭理事 予算委員 民主党行政改革・規制改革担当ネクスト大臣 民主党千葉県総支部連合会選挙対策委員長
昭和32年 船橋市生まれ。昭和51年 早稲田大学政経学部入学。昭和55年 (財)松下政経塾第1期生として入塾。昭和62年 千葉県議選に初当選。平成3年 千葉県議選で再選。平成5年 国会初当選。平成8年 衆議院議員選で次点。平成12年 「ニッポンまる洗い」を掲げ構成に復帰。平成13年 民主党NC大臣就任。平成14年 個人情報保護法案で政府を追及。
鳩山由紀夫 1947年、東京生まれ。東大工学部卒後、米スタンフォード大博士課程修了。専修大学助教授を
経て、1986北海道旧4区で自民党から初当選。93年自民党を離党、新党さきがけ結党に参加。細川連立内閣で官房副長官を務める。96年に旧民主党を結党し菅直人氏とともに代表に就任。98年現在の民主党を結党し幹事長代理に。99年9月の代表選挙で代表に就任し、2000年9月無投票で再任。北海道9区。当選5回。55歳。
横路孝弘 1941年、札幌市生まれ。1966年、東京大学法学部卒。1965年、司法試験合格。1944年、衆議院議員当選(以後、連続5回)。1983年、北海道知事当選(3期就任)。1996年、衆議院議員当選(6回)旧民主党副代表。1998年、民主党総務会長。2000年、衆議院議員当選(7回)。民主党副代表。2001年、衆議院内閣委員会委員長。【現職】民主党市民政策議員懇談会会長。衆議院内閣委員会委員。沖北特委員。

                   


ホームへ戻る