「第3回世界水フォーラム」とは、なんだったのか?


リオの国際環境会議で水に関する会議が必要と決まったものですが、
決して正式な国際会議ではなく、利権企業や利権集団(世界水会議)の集まりです。
したがって、この会議での決定事項には、なんら拘束力はないのですが、
主催者、各国政府やマスコミもこぞって、正式な国際会議であるかのように見せようとしています。

・NGOの参加
これまではNGOの参加を拒絶していましたが、第3回は議長国日本の配慮から
NGOの参加が可能となりました。
これに参加して意見を述べた方が良いのか、拒否してお墨付きを与えない方が
良いのかは多くのNGOでも意見が別れましたが、「公共事業チェックを求める
NGOの会」は参加して意見を述べることを選択しました。
IRN(International Rivers Network)やFoE(Friends of Earth)なども、
ダム開発の問題と代替案を主張しました。
しかし、フォーラム内部ではNGO意見の無視や叩き潰し、
傀儡メディアによる偏向報道、非公開決議などが横行しました。

・NGOの主張 
<ダムについて>
WCD(世界ダム委員会)の勧告に従い、大型ダムは多くの未解決問題や犠牲を
伴うため、他の方法を優先的に検討すべき。

<水の民営化>
水は商品ではなく、水は人権である。現実に民営化で、とりかえしのつかない多く
の問題が各国で発生している。

・NGOの意見は反映されたのか?
閣僚宣言において、NGOの意見はほとんど無視されたといってよいでしょう。
美辞麗句が並べられていますが、NGOが強く主張した下記の2点は無視されました。
 1.「WCDの勧告を考慮すべき」
 2.「水は人権である」

・WCD(世界ダム委員会)
推進派は、このWCDの勧告をとても恐れています。
なぜなら、ダム推進派、反対派の有識者が集まり、検討した結果だからです。
これをもっと活用して、各国政府がこの勧告を考慮するように求めることが必要です。

・水の民営化
「民営化の方が良いのでは?」との意見もダム反対市民からもしばしば聞かれますが、

過剰な水資源計画>無駄なダム開発>公営水道の経営難>公営水道の民営化案

この構図での問題は、水資源計画を市民にとりかえすこと(水資源開発公団の解
体)こそ重要であり、単なる水道の民営化では何も解決されません。

WCDについては、下記を参照ください。日本語版冊子も販売されています(KJCニュース≪スイミー≫No.71参照)
KJCのページ
http://nagara.ktroad.ne.jp/siryou/wcd.html
http://nagara.ktroad.ne.jp/press/p00-2-22.html
FoE-Japanのページ
http://www.foejapan.org/
WCDのページ
http://www.dams.org/news_events/outline_jp.htm

太田勝之(長良川河口堰建設に反対する会・大阪)

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当ホームページでも当日のご報告と講演者のレジメ・プロフィールをUPしております。
http://www.ktroad.ne.jp/~kjc/030322smf.html

メインゲストのディビッド・ウェグナー氏は、残念ながらイラク戦争のため、
来日できませんでしたが、予定されていた講演の内容がホームページに掲載しております。
これからの市民運動のあり方を考える上でも大変参考になる内容ですので、ぜひ、ご一読ください。
http://www.ktroad.ne.jp/~kjc/030322weg.html

また、このシンポジウム開催にあたって、たくさんの方からカンパをいただきました。
ありがとうございました。活動資金として有効に使わせていただきます。


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