■2003年4月10日 全国書店にて発売!■

「市民事業――ポスト公共事業社会への挑戦」

 五十嵐敬喜+天野礼子著
 中央公論ラクレ新書 280ページ 760円+税


経済の低迷、政官財主導による改革の限界、迫り来る自治体の破綻と合併など、
いまの日本は暗澹たる状況としか見えません。しかし、その一方で、自然の資源を
無駄せず、地域の特質にあった「新しい事業」が生まれ、着実に育ってもいます。
たとえば、これまで壊されてきた自然の再生(近自然河川工法など)や
邪魔にされてきたものを再利用や質的な転換(雪やゴミの活用や木質バイオマスなど)。
あるいは自然再生型エネルギーの創出や供給(風車など)などです。

本書は、そうした「新しいスタイルの事業」のレポートを踏まえ、ダムや道路に
代表される大規模、環境破壊型の公共事業に頼るこれまでの社会構造を転換し、小
規模、地域密着、環境重視型の新しい公共事業=市民事業による社会システム創造へ
の設計図を描いていきます。地域でゆったりと豊かに生きる道が、ここにあるのです。

《目次》
【第一章】森から見える“日本の再生”
“緑の公共事業”が始まった
日本の森を甦らせる男たち
“森林環境税”を使って「緑の公共事業」創設を提案
 ◎森林再生の現場を見て……天野礼子
 ◎森の再生をいかに都市と結びつけるか……五十嵐敬喜

【第二章】「無駄」の再利用
じゃまだった雪が「宝の山」に
都市の中に“ミニダム”を造る
生ゴミの再資源化
 ◎一〇〇年前の二一世紀モデル……天野礼子
 ◎スローガンだけでなく資金と法律の整備を……五十嵐敬喜

【第三章】“自然再生エネルギー”で暮らす
“市民風車”を立てる
“自然エネルギー”のまちづくり
住民から始まった「二一世紀への実験」
“森のゼロエミッション”に取り組む
「自然エネルギー立県」をめざす
 ◎市民がつくる市民のための環境保全……天野礼子
 ◎エネルギー問題を地域で考える意味……五十嵐敬喜

【第四章】森と川と海をつなぐ
海の漁師の公共事業
“近自然工法”が日本の川を甦らせる
“近自然工法”を登山道に
瀬戸内海の浄化作戦
水のリサイクルと浄化システム
 ◎少しずつだが、私たち市民が世の中を変えている……天野礼子
 ◎イデオロギーから事業へ……五十嵐敬喜   

【第五章】福祉・環境・まちづくり
元気な街をつくる路面電車
商店街を元気にする秘訣、教えます
建設会社が農業を?
小さな都市の美しい公共事業
介護は、足下で、自分たちで仕事にする
 ◎本当の「公共」事業……天野礼子
 ◎安全に暮らし、安心して死ねる社会のために……五十嵐敬喜

【第六章】“ポスト公共事業社会”の設計図


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