2007年 9月 26日
「最上小国川に、ダムに拠らない“真の治水対策”を求める」請願


民主党 代表代行 菅 直人 様


小国川漁業協同組合
代表理事組合長 沼沢勝善

最上小国川は、山形県の母なる川、最上川(流路延長229km、
流域面積7,040km)の支流。流路延長39Kmの河川であり、
山形県内で唯一ダムをもたない天然河川です。
ここで採れるアユは、古くから「松原鮎」と呼ばれる天皇献上品として知られ、
今も日本有数の釣りメーカーであるシマノ、ダイワ、がまかつ など、
友鮎釣りのトーナメントが年間8回も開催されています。

 私ども、小国川漁業組合は、昭和24年創業をし、現在組合員約1280名、
年間収入5576万円(18年度実績)であります。

最上小国川ダムは、上流部に位置する赤倉温泉の、特に10軒ほどの旅館街が、
流域にせりだして立地していることから、洪水被害が若干あったことを
きっかけに構想され、県は当初は、利水も含めた多目的ダムを計画。
そして、利水の需要がなくなった後、治水専用の「穴あきダム」に変更。
昨年末の12月に県知事が穴あきダム建設の方向を決定しました。

 私たち小国川漁協は、ただ単に、漁をし、釣りを楽しむだけでなく、
自然を愛し、生態系を守り、魚族保護増殖を図り、清流最上小国川を
保全するための諸活動を、長年にわたり、おこなってきているのであります。
また、それが使命だと思っております。この信念により、ダム建設構想が
発表された当初から現在に至るまで、ダム建設には、反対の表明を続けております。

 最上小国川は、天然鮎が百万匹以上溯上する、山形県内唯一の天然の
清流環境を維持した河川であります。瀬見、赤倉温泉など流域の旅館には、
一シーズン中、年間2万人もの全国から鮎釣り客でにぎわいます。
 ダムがない清流だからこそ、この地域にいらっしゃる釣り人が、
この地域の交流人口や地域経済を支えてきたのです。


漁協組合員の中にはこの清流と鮎に魅せられ、移住し、ほぼ鮎だけで
生計を営んでいる者もおります。この清流環境は、大変な地域への
経済効果をもたらしてくれていると考えます。

 巨大な河川構造物は、精緻なバランスの上でなりたつ河川の生態環境
に対して、甚大な影響を与えることは容易に想像できます。
 川が死んでは、赤倉温泉地域を含め、この最上、舟形地域の持続可能
な経済は維持することができないと考えます。

 赤倉温泉の治水対策は、河川の拡幅や嵩上げによる治水対策で十分であり、
最善の方策であると考えます。治水対策が、ダムに拠らなければならない
必然性も、絶対性もないのであります。

 最上川流域委員会 最上地区小委員会は、大多数(小委員会は漁協以外全員)が
ダム建設推進論者で構成され、正当な議論にならず、ダム建設ありきの委員会論議であり、
大変不当な委員会であったと、いわざるをえません。

 この最上川流域委員会については、議事録をご覧いただいた
元「淀川流域委員会」委員長 今本博健先生から
「明らかに治水方策について議論不足。」と明確に指摘されております。

 昨年は、財務省からの建設予算がつかなかったものの、
調査費用が予算計上され、県は今年度、我々組合の同意もなく、
ダム建設のボーリング調査をおこなっております。
我々は、漁業権の侵害にあたる河道内の調査は一切認めておりません。

私たち、小国川漁協は、平成12年の総代会で、満場一致で
ダム反対の決議をおこない、昨年平成18年11月の総代会で、
ダム反対の組織強化をはかりダム反対を推し進めていくことを決議しました。

 私たちは今後も、将来の地域のために、そして次の世代の子供たちのために、
最上小国川ダムに対して絶対反対を貫き、この清流を活かします。

先生には、自然を破壊し、清流を破壊し、地域を破壊する、ダム建設への反対に、
お力をおかし下さいますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。


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