****** KJCニュース ≪スイミー≫ No.54 ******  2002.5.27

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│転載転送歓迎│
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☆━今日のお知らせ━━━━━━━☆

★「紀伊丹生川ダム建設を考える会」より
★五十嵐敬喜教授より学習会のお知らせ
★「黒部川eねっと・9号」から
★環境NGO「環・太田川」から緊急のお願い
★半田の水「木曽川に戻せ」―市長、愛知県に要請
★おすすめサイト

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◆「紀伊丹生川ダム建設を考える会」よりみなさまへ

♪5月15日の≪スイミー号外≫でお知らせしましたとおり、紀伊丹生川ダムの建設
の中止が発表されました。久しぶりの嬉しいニュースに全国から喜びの声が当会
にも寄せられました。このひとしずくはやがて大きな流れとなって、他のダム計画
や公共事業に拡がっていくことでしょう!

      ★紀伊丹生川ダム建設事業中止と発表!★

 5月16日AM10時、近畿地方整備局は、緊急な記者発表を行い、以下の通り、
「紀伊丹生川ダム建設事業については、河川整備計画のメニューとしては提案しな
い」としました。記者発表の文書主文を引用します。今までの皆さんからのあたたか
い励ましやご指導に改めて感謝します。この知らせが全国の運動に大きな弾みをつけ
ることを心から願っています。私どもとしましては、完全白紙撤回まで運動は続ける
覚悟ですので、今後ともよろしくお願い致します。

(発信人)紀伊丹生川ダム建設を考える会事務局
      木ノ本 豊
TEL(FAX) 0736−36−0660
メール feng-muben@pop.cypress.ne.jp
http://www5a.biglobe.ne.jp/~kiinyu/

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2002年5月16日10:00 
国土交通省 近畿地方整備局 河川部河川計画課発表

 紀伊丹生川ダム建設事業については、平成11年9月に紀伊丹生川ダム建設事業審議
委員会からご意見をいただきました。
 近畿地方整備局としては、そのご意見を真摯に受け止め、環境等に万全を期し、ダ
ム高等の変更を含め調査検討を進めて参りました。
 一方、大阪府、和歌山市の水道事業者から必要水量の一部を減量したいという意向
表明がありました。
 これにより、ダム計画の抜本的見直しが必要となり、昨年6月より調査検討を進め
て参りました。
 このたび、当事業の見直しに関する今後の対応方針を定めましたので、お知らせい
たします。

○対応方針
近畿地方整備局としては、紀伊丹生川ダム建設事業については、河川整備計画のメ
ニューとしては提案しないこととし、今後、できるだけ早期に、近畿地方整備局事業
評価監視委員会にご意見を伺うこととします。

○理由
紀伊丹生川ダムは、治水と利水の目的を有する多目的ダムです。治水機能と利水機能
を併せ持つことにより事業効果を高めようと計画したものです。
今回、水道事業者である大阪府及び和歌山市から必要水量を減量するという意向表明
があり、新規開発水量が3立方メートル/sから1.3立方メートル/sに減ったことか
ら、ダムのスケールメリットが小さくなり事業継続が困難となりました。

○今後の進め方
なお、紀伊丹生川ダムに代わる治水対策等については、今後紀の川流域委員会の議論
及び意見を踏まえ、決定していきたい。



◆五十嵐敬喜教授より

当会オブザーバーの五十嵐敬喜氏が天野代表らと共に“市民の憲法をつくろう”
をテーマに「市民版憲法調査会」を立ち上げられました。
市民運動の立場からもこれからの時代にふさわしい「憲法」というものを人任せ
にすることなく、自分たちで考えてみよう、というものです。
この、第1回勉強会(入場無料)が行われます。ぜひ、ご参加ください。

日時:5月28日(火)19時より
場所:九段社会教育会館

詳しくはこちら↓をご覧下さい。
  http://www.ktroad.ne.jp/~kjc/020524kenpou.html



◆「黒部川eねっと・9号」から抗議メールのお願い

5月20日に「黒部川土砂管理協議会」が開催されました。この協議会は国土交通
省と関電が事務局を担い、流域自治体の首長と富山県職員だけが構成メンバーで、
黒部川の出し平・宇奈月ダムの排砂と水系全体の土砂管理のあり方を協議する場
として位置づけられています。しかし、実質は「黒部川ダム排砂評価委員会」の後に
開かれ、事務局からの報告を追認し排砂を最終的に決定する場となっています。

「黒部川ウオッチング」では、事前に協議会座長と黒部工事事務所長に以下の点を
申し入れしました。
@黒部工事事務所との話し合いでは過去、排砂に至る手続きとして黒部川沿岸の
 6漁協の合意が必要だと話していたが、今回その中で泊漁協が明確に反対を表明し
 ており、連携排砂計画を見直すこと。
A国土交通省近畿整備局が主催する「紀ノ川流域委員会」を参考に会議終了後、傍聴
 者との間に質疑応答する時間を確保すること。
B「黒部川ダム排砂実施協議会」となっている協議会を本来の趣旨に戻し、今後黒部
 川水系全体の土砂管理をどうするか、全てのダム堆砂の現状と対策等を明らかにす
 ること。

しかし、当日「黒部川ウオッチング」の申し入れ書はメンバーに配布されただけ
で、内容は全く検討されませんでした。また、協議会の中で連携排砂に影響を及ぼす
対象として「海面漁業関係団体」の意見聴取の結果が報告されましたが、泊漁協の反
対は何一つ触れられていませんでした。これらの取りまとめは事務局の黒部工事事務
所が行っていますが、恣意的な判断の下に都合のいい情報だけを協議会の中で報告し
ていると言えます。

黒部工事事務所はホームページや「排砂評価委員会」の中でも、排砂による被害
が直接なかった資料として「海面漁協の推移」で漁獲高を公表していますが、これに
は最も焦点となっている黒部川沿岸各漁協のデータは掲載していません。(データで
は排砂時期と漁獲高の減少が見事にリンクしている)
 現在、川辺川でも強制収用をめぐって漁業権の解釈が焦点のひとつとなっています
が、漁業権を侵害する行為にあたる排砂の実施には本来、権利をもつ一人一人の漁民
の同意が必要なはずです。さらに関係する組合が理事会名で反対の表明をしているに
もかかわらず連携排砂を決定し、行政関係者の中で既成事実を積み重ねることは暴挙
としか言いようがありません。

 「黒部川ウオッチング」では連携排砂に対する対案を持っており、決定権のある公
開の場で議論することを望んでいます。今回の黒部工事事務所などの対応に皆さん、
抗議のメールをお願いできないでしょうか。

  ◇国土交通省黒部工事事務所メールアドレス… kurobe@kurobe.go.jp

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黒部川ウオッチング・富山ネットワーク 
   金谷敏行 
kanaya2001@nifty.com
Tel/Fax 076-463-5607  
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◆環境NGO「環・太田川」から

〓西中国山地の大規模林道事業中止を求める運動にご協力を!〓

助けて!! 広島県西部180万人の「いのちの森」が
      大規模林道に壊される!

皆様に是非知っていただきたい問題があります。広島県西部を流れる母なる川
太田川の源にブナ・トチ・ミズナラなどの落葉広葉樹の素晴らしい自然林がわず
かながら残されています。しかし、その自然林(佐伯郡吉和村・細見谷の渓谷林)
に悪名高い大規模林道が建設されようとしています(十方山林道の大規模林道
化計画)。

 貴サイトでも緑資源公団の問題を掲載しておられるように、大規模林道は自然
破壊しか残らない必要性のない事業です。
また多くの専門家が、大規模林道にするための工事や自動車の排気ガスによって
渓畔林が破壊されると警告しておられます。もちろん、細見谷に大規模林道を通す
必要性は見当たりませんし、地元地域の振興に役立つものでもありません。
大規模林道は地形や気候の厳しいところに建設されるので、全国各地で土石流や
法面の崩落などの大規模な災害を引き起こしています。細見谷も豪雪・集中豪雨・
断層と人間の力をはるかに超えた自然の猛威にさらされる場所です。なまじ手を加
えるとかえって危険性が増すとの指摘もあります。

 にも関わらず、工事は再来年から着工されようとしています。時間はありません。
国が進めている広域合併で、来春大規模林道建設予定地のの吉和村が近隣の
市町と合併します。現在合併後に実施する事業を検討しており、7月にはその概略
が決定します。
 そこで、吉和村でこの問題に取り組んでおられる「吉和の自然を考える会」と「大
規模林道問題全国ネットワーク」に参加している広島市の環境NGO「森と水と土を
考える会」が中心となって、急遽広島県知事と吉和村長に宛てて大規模林道建設
の中止を求める署名を提出することになりました。7月の合併協議会の直前に提
出してプレッシャーをかけたいと考えています。大変急で申し訳ないのですが、皆様
にもどうぞお力添えくださいますよう、お願い申し上げます。
 
なお、この問題に関連して、「ぼくらの川のブナの森」というサイトを開設しており
ます
 http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/2693/ 

このサイトから署名できますので、相互リンクや情報の伝達などお力添えいただける
と幸いです。あるいは、この全く無駄な公共事業を止めるためによいお知恵がござい
ましたら、アドバイスをいただけると幸いです。

 近年の特殊法人の見直しにより、事業主体である緑資源公団は焦りを見せなんとか
早期着工の既成事実を作ろうと躍起になっています。事は急を要しています。突然
ぶしつけなお願いをして大変心苦しいのですが、どうぞお力添えをよろしくお願い致
します。

**********************************************
環境NGO「環・太田川」
   原 哲之
nt-hara@f3.dion.ne.jp
TEL・FAX 082−278−1044 
http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/2693/
**********************************************

♪この「大規模林道建設の中止を求める署名」に「公共事業チェックを求めるNGO
の会」も署名いたしました。皆さんもご覧の上、ぜひご署名をお願いします。



◆半田の水「木曽川に戻せ」―市長、愛知県に要請
    〜長良川河口堰の水「まずい、安全性不安」〜

半田市の榊原伊三市長は昨年6月、「飲み水を木曽川に戻す」と公約に掲げ、助役か
ら転身して初当選。以来、県に水源の切り替えを要望。昨年末、企業庁を訪れて要望
した。今春には市の政策指針にも位置づけた。

半田市を含む知多半島4市5町の水源は木曽川だったが、長良川河口堰が計画段階
だった72年、流域の人口増を理由に、運用開始後は河口堰から取水することで首長
らが合意した経緯がある。
これに基づき、長良川から知多浄水場への導水路が完成した98年から、長良川に切
り替わった。

二つの水源の水質を取水口で比べると河口堰の水質は木曽川より明らかに悪い。公開
されているデータによると、アンモニア性窒素はひとケタ多く、環境ホルモンも検出
されている。知多浄水場では、有機物除去に活性炭を大量に使っている。
半田市などを含む12市7町は県に日量計50万トンの水道水の使用を申し込んでい
る。この12市7町に供給している愛知用水が確保している水道水は河口堰を除く木
曽川分だけで48万トン。うち13万トンが水不足の同県西三河地方に回されてい
る。

木曽川だけでは15万トンが不足することになる。一方で木曽川からは愛知用水に工
業用水としても85万トンが供給されており、これは10万トン売れ残っている。ま
た、同じ木曽川水系の岩屋ダムで愛知県が持つ工業用水も20万トン余っており、数
字の上では木曽川の水だけで供給できる計算になる。榊原市長は「河口堰の水はまず
く、安全性も不安だ。工業用水が水質のいい木曽川から、飲み水が河口堰からという
のもおかしい。しかも工業用水は余っている」と主張している。

これに対し、愛知県企業庁は「河口堰の処理水は水質基準を満たし、安全でおいし
い。環境ホルモンには基準がなく水源を変える理由にならない。工業用水を飲用にと
いうならダム建設費を負担するのか」と反論している。  
                     【5月22日 朝日新聞より】


◆おすすめサイト

まだまだムダな道路をつくろうとしている人たちがいる!

  「十勝の高規格道路を考える会」
http://www5.justnet.ne.jp/~koukikaku/index.htm

のぞいてみてください。


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┃それぞれの連絡先へお願いします。
┃内容についてKJCがすべての責任を負うものではありませんので、
┃その点はご了承ください。
┃また、配信停止のお申し出は事務局までご連絡ください。 
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  公共事業チェックを求めるNGOの会 
      tel 058-272-8495
      fax 058-271-8279
     http://kjc.ktroad.ne.jp/
      kjc@mx1.ktroad.ne.jp
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