****** KJCニュース ≪スイミー≫ No.56 ******  2002.6.17

┌──────┐
│転載転送歓迎│
└──────┘

★長良川DAY2002ニュース★

◆全国NGO会議 ”ランチ・ミーティング in 長良川” を開催します!!
            
7日の ”長良川DAY” 終了後、am11:30より全国から、お集まりいただいた
NGO代表の皆さんが一堂に会する ”ランチ・ミーティング” を行ないます。
ゲストの五十嵐教授やNACSJの吉田正人氏、海外ゲストのリムヘン博士、
バインダー氏などを囲んで、日頃の活動や「自然再生推進法案」への疑問
についての意見交換をしたり、今後の連携に向けてお互いの懇親を深める、
またとない機会になることと思います。

全国の団体・個人のNGOのみなさん、ご参加をお待ちしております!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ご参加いただける方は、なるべくお早めに事務局までお申し込みください。
当日の飛び入り参加もOKですが、準備の都合もありますので、あらかじめ
お申し出いただけると助かります。(軽い昼食をご用意いたします)

詳しくはこちらをご覧下さい ↓
  http://www.ktroad.ne.jp/~kjc/020617ranti.html
お知り合いのNGOの方にもご案内ください。

     
◆ウォルター・バインダー氏の資料「ババリアにおける川の再生」をHPに掲載
   しました。ダウンロードしてご利用いただけます。与党の「自然再生推進法案」
 との比較・検討にご活用ください。
   http://www.ktroad.ne.jp/~kjc/020610bainda.html

◆キャンプについて
 ・宿泊は例年通り、野外会場横の河川敷でキャンプができます。
  細長い河川敷に自由にテントを張っていただいて結構ですが、場所は早い
  もの勝ち。
 ・水、トイレ(ペーパーあり)は主催者が用意しますが飲み水は各自でご用意くだ
  さい。
 ・なるべくゴミを出さないように、マイカップ、マイお椀、マイお箸の持参にご協
  力をお願いします。
 ・自分で出したゴミは自分で持ち帰り。もちろんタバコの吸い殻もね。
  イベント撤収後はNGOのプライドに賭けてゴミゼロに!

 みんなで助け合い、譲り合って気持ちよくキャンプしましょう。
 何かご質問があれば事務局までどうぞ。

◆当日ボランティアを募集しております!
  物品販売、会場整理、料理手伝い、等どなたでもできる仕事です。
  やってみようかな、と思われる方、ぜひ、ご連絡ください。当日飛び込みもOK。

♪お願い・・・ブースを出してくださる方、ボランティア、スタッフ、すべての方に
お一人2000円の参加カンパはお願いしております。ご了承ください!  
(ただし中学生以下のお子様とペットは無料。ご家族でどうぞ。)


☆━今日のお知らせ━━━━━━━☆

★長野県検討委員会が「ダムなし」案を答申
★長良川河口堰のアユ人工孵化施設は今?
★「メコン・ウォッチ」から「パクムンダム・・・水門の永久開放を」
★紀伊丹生川その後

=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*

◆議論の末、検討委員会が「ダムなし」案を答申〜長野県

 浅川(長野市)と砥川(下諏訪町)については、ダムを造らず河川改修で――。
両河川の治水・利水対策を検討していた「県治水・利水ダム等検討委員会」(宮地
良彦委員長)は、「ダムなし案」を答申として出すことを決めた。しかし委員間でダ
ム案か河川改修単独案(ダムなし案)かの意見の隔たりは大きく、この日も議論
は紛糾。委員会としての方向性がまとまることのないまま、最終的には宮地委員
長が多数意見として「ダムなし案」を示し、答申として出すことが決まった。
               【2002/06/08毎日新聞より】

〓「ダムなし答申」住民世論調査の結果 圧倒的支持〓 

LCV(諏訪地域の有線テレビ、加入率80%位?)の電話による「ダムなし答申」
住民世論調査の結果です。

 下諏訪町100人+岡谷市100人⇒ 《妥当80.5%》
 下諏訪町100人⇒《妥当88%》
 岡谷市100人⇒ 《妥当73%》

 詳細は以下のウェブをご覧下さい。
   http://www.lcv.co.jp/9ch/togawa/index2.html


◆長良川河口堰のアユ人工孵化施設
    〜〜〜遡上増期待できず 建設に5億〜〜子供の水遊び場に…

 三重県長島町の長良川河口堰(ぜき)近くに、国と水資源開発公団が約5億円を
かけて建設したアユの人工孵化(ふか)施設が、この3年間、利用されないまま放置
されている。上流の岐阜県や同県の漁協との間で、施設をどこが運営するのかはっ
きり決めないまま建設を進めたうえ、その効果は不明として漁協側もそっぽを向いて
いるのが原因とみられる。

 この施設は、孵化したばかりの仔(し)アユが海へ下る途中、河口堰上流の取水口
で減少するなどして、アユ漁への影響が懸念されたことから、漁業補償の一環として
1993年4月、河口堰に併設して右岸河川敷に着工、94年9月に完成した。
 施設の中心は、長さ約100メートル、水深約0.8メートルの人工河川で、幅が
2メートルと5メートルの二本ある。河口堰の影響で減った仔アユを補うため、秋に
アユの成魚から採取した卵をシュロの葉に付着させ、孵化した仔アユを水路でつな
がっている長良川に流す。

 建設費は旧建設省(現・国土交通省)と公団が5割ずつ負担し、公団負担分は、愛
知、三重の両県と名古屋市が2018年までに財務省に償還する。
 施設の運用について公団や岐阜県水産振興室は「岐阜県内の7漁協に任せるという
認識だった」と説明する。これに対し、長良川漁業対策協議会会長の松野幸昭県議は
「公団や県が運営するものとされてきた」としており、施設が利用されない背景に
は、双方の認識の違いがあるとみられる。

 公団は94年から5年間、約2億6千万円をかけて孵化実験を行った。6〜8割は
孵化したが、アユの遡上(そじょう)数が増加につながったか、科学的な検証はでき
ていない。
 実験に続いて実用化が予定されていたが、卵を採取するアユの購入費などは、年間
一千万円程度かかるため、漁対協では「アユの遡上数の増加につながるのか効果が不
明確で、今のままでは引き受けられない」としており、利用のめどは全く立っていな
い。

 施設の一部は使用されないまま、専ら子どもらの水遊び場になっている。

 河口堰問題に詳しいサツキマス研究会代表の新村安雄さん(48)は「仔アユの生
残率(一定期間の生存率)を調べたが、産卵最盛期の9月下旬は(孵化施設の)水温
が高く、ほとんどの卵にカビが生えて死んでしまった。人工河川の構想そのものが場
当たり的に出され、計画自体に無理があったのではないか」と指摘する。
                    【2002/6/12 読売新聞より】 


◆「メコン・ウォッチ」から「パクムンダム」の水門永久開放を!

世界銀行の融資で完成したタイのパクムンダムは、住民の粘り強く戦略的な運動
の結果、昨年6月13日に、環境社会影響を再調査するため水門が開かれました。

魚がよみがえり、漁民の生活が回復し始めたことを誰もが実感した1年。そし
て、開門して発電を放棄しても全く社会生活への影響がないことも明らかになっ
たのです。パクムンダムがいかに人々を苦しめるだけの無駄なダムだったかが証
明されたと言えるでしょう。

しかし政府が定めた水門開放の期限は1年・・・。6月13日が再びやってきまし
た。現地の人たちは、この無駄なダムを永久に放棄して、川と住民と魚とが一緒
に生きるムン川を取り戻そうと、新たな闘いを静かに進めています。

現地で3年間、パクムンダムと闘いながら、川との生活を取り戻そうとしている
村人たちと活動しているメコン・ウォッチの木口由香の報告です。

***************************
パクムンダム 水門の永久開放を求める祈り

環境・社会影響の再調査のため、試験的に水門が開放されていたパクムンダムで
すが、政府が定めた水門開放の期日は本日をもって終わります。しかし、地域で
漁業をする人々を中心に、たった一年の水門解放で大きく回復した自然環境を利
用し、生活している流域の人々から開放継続を求める声が高まっています。

政府は継続の有無について、はっきりとした指示は出していません。しかし、現
地ではダムを管理するタイ発電公社(EGAT)によって着々と水門閉鎖の作業
が行われています。

6月10日には調査結果の中間発表が行われました。その中で、自然環境が回復し
たことで天然魚や河畔の植物に食料を依存する、いわゆる貧困層の人々の生活が
改善されたことが研究者らから報告されました。また、従来からEGATが繰り
返し主張している、同地域の電力不足による停電の危険ですが、パクムンダムが
発電していなくてもダム周辺5県の電力供給に深刻な影響は及ぼさない、とのデ
ータも明らかにされました。

このような状況下、13日にはパクムンダム建設によって漁業や生業に影響を受け
た人々のうち約2000名が、ダムを望む川岸に集まり水門永久開放を求める祈りの
儀式を執り行いました。

人々は手に手に花とお供えのろうそくを持って、抗議運動のためにダムサイトを
占拠してつくられた「悠久なるムン川の村」から徒歩で川岸まで移動しました。
ダム建設後、若年層はほとんど都市に出稼ぎに行っているため、参加者のほとん
どは高齢者と、親の出稼ぎのため祖父母と村で暮らす小学生以下の子供たちで
す。人々は川に向かい、この世の全ての精霊たちに川の回復を祈ったと言いま
す。

住民代表のソムキアットさんは「この1年の水門開放で自然環境は大きく回復し
た。そして、今はまさに大きな回遊魚がムン川で産卵する時期である。もし今水
門を閉めたら、漁民は再びダムが出来た後の貧困に苦しまなくてはならない」と
集まった記者らに訴えました。

私の隣にいたおばあさんは、小さな声で「このろうそくが最後まで燃え尽きれ
ば、ダムの水門が永久に開放される」と願をかけていました。その真剣さに思わ
ず、「何もこんな風の強い川岸で・・・」と止めようとしたほどです。ろうそく
はあっという間に消えてしまい、彼女は目からあふれる涙をそっとぬぐっていま
した。しかしそれから、彼女は強い風の中、隣の男性から火をもらい、ふたたび
ろうそくに火を灯したのです。

「国の発展を阻害する非国民」、「コミュニスト(注:タイで共産党は非合法)」、
「海外の環境保護団体の傀儡(かいらい)」、「補償金泥棒」。これらの誹謗中傷
にも負けず、パクムンの反対運動がなぜ10年以上も続いているのか、
その粘りを垣間見た思いです。

追加:内閣の関係者と「貧民フォーラム問題解決委員会」の座長である
チャワリット・ヨンチャイユット副首相が13日夕方電話によるインタビューの中
で、8月終了予定のウボンラチャタニ大学の調査結果が出るまで、水門開放を
継続するよう指示したことを明らかにした。これに対しEGAT(タイ発電公社)は
不快感をあらわにしている。

***************************************
メコン・ウォッチ  
電話03-3832-5034、ファックス03-5818-0520
電子メール mekong-w@co.xdsl.ne.jp
Web http://www.jca.apc.org/mekongwatch/
***************************************


◆ダムが止まった紀伊丹生川のその後
    ━━ 玉川漁協組合長、山本実さんのインタビュー記事から
 
  ☆丹生川の美しい流れ、後世に 〜 若アユが群れ、釣り人でにぎわう☆

 国土交通省が建設を断念した「紀伊丹生川ダム」の予定地、玉川峡では今、若アユ
が群れをなして泳ぎ、解禁を待ちかねた釣り人らでにぎわう。近畿有数の清流を守ろ
うと市民団体と連携して地道な活動を続けてきたのが、水没予定地に漁業権を持つ
玉川漁協(事務局・九度山町河根)だ。組合長の山本実さん(78)は九度山町に生
まれ育ち、子供のころから玉川峡を見つめ続けてきた。中止の決定を特別な思いで
受け止める1人だ。 【山田泰正】

 ――昨年7月の理事会、今年2月の総代会で相次いで、組合としての反対方針を固
めました。組合員の代表として、中止の感想は?

 とにかく驚いたというのが正直なところです。丹生川の美しい流れがそのまま後世
に残ることになり、本当にうれしい。計画公表から20年ほどたとうとしています
が、公共事業に対する反省や批判を考えれば、中止の可能性が強いとみていました。
近畿地方整備局が設置した流域委の議論が終わるころには結論が出ると思ってい
ましたが、こんなに早いとは……。とにかく肩の荷をおろし、ほっとしたという思い
です。

 ――組合員や地元の皆さんの反応は?

 組合員だけでなく、水没予定地に暮らす住民の方からもお祝いの手紙や電話があり
ました。利便性やいくばくかの補償金と引き換えに、家族や地域の人たちが大切に
してきた田畑や山林、生まれ育った土地をダムの底に沈めてもいいものか。そういう
疑問はだれもが持っていたと思います。「ご先祖さまから預かった大切な宝を無事
子孫にバトンタッチすることができます。今年のホタルはひときわ美しい光を放つこ
とでしょう」という心にしみ入るお手紙もありました。

 ――国土交通省からはどのような説明があったのですか?

 いまだに漁協に対しては正式な説明はありません。報道関係への発表があったのが
先月16日。何の連絡もないので、紀伊丹生川ダム調査事務所にこちらから電話し
た。
「12日の紀の川流域委員会で説明するから待ってほしい」ということでした。
 もっと気の毒なのは、地元の水没予定地の集落の方たち。道路の拡幅、家屋の
補修など、「どっちみち水没するんやから」と辛抱してきた。いきなり中止の話が出
てきて「いったい何やねん」という思いがあります。そういう集落には十分な説明を
してあげてほしいと思います。

 ――玉川峡は年間数千人が訪れるアユ釣りのメッカ。今年の釣況はいかがですか?

 今年は琵琶湖産と田辺湾の海産計1トンを放流しました。7、8センチだった稚魚
は20センチほどに育ち、多い人は1日で20匹を釣り上げます。よその川がみな
あかん中で、うちは健闘している。「釣れない」という苦情が一つもない(笑)。
もうひと雨来て水かさが増えたら、こけの付き方も良くなって、最高のコンディショ
ンになるでしょう。

 ――請われて組合長に就任したのが昨年2月。
 組合財政の建て直しと経営の近代化が長年の課題でした。

 組合員は橋本市など760人。組合の主な事業収入は入漁券の販売ですから、たく
さんのお客さんに来ていただきたい。そのためには漁場をきれいに保ち、釣れるよう
にすることです。他府県のダムを見に行きましたが、どこも例外なく水質が悪化し
ている。
川の水は止まったら、間違いなく汚濁が進む。「ダムができれば川が死ぬ。これは絶
対止めなあかん」と思った。長年、川を見続けて来た者の直感です。

 ――国土交通省は中止の理由を水需要の減少としています。地元の市民や漁協の意
思も無視できない要素でした。

 地元の「紀伊丹生川ダム建設を考える会」(橋本市)の皆さんには大変お世話に
なっています。毎年定期的に清掃活動を行うほか、水生昆虫の観察会やホタルの
見学会を開いています。
 将来再び、ここで計画が持ち上がる可能性はないとは言えない。今後も連携を取り
あって、玉川峡の環境保全に取り組みたい。この年齢になって考えることは、我々
人間も他の動植物と一緒で、地球に住まわせてもらってるということ。自然を破壊
すれば、私たちのところにもはね返ってくる。そういうことを特に若いお母さん方に
知ってほしいと思います。
                    【2002/06/12毎日新聞より】 



♪━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
┃各NGOからのお知らせ等に関しては、お問い合わせ・その他については
┃それぞれの連絡先へお願いします。
┃内容についてKJCがすべての責任を負うものではありませんので、
┃その点はご了承ください。
┃また、配信停止のお申し出は事務局までご連絡ください。 
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

 *〜〜・゜*〜〜・゜*〜〜・゜*〜〜・゜*〜〜
  公共事業チェックを求めるNGOの会 
      tel 058-272-8495
      fax 058-271-8279
     http://kjc.ktroad.ne.jp/
      kjc@mx1.ktroad.ne.jp
 *〜〜・゜*〜〜・゜*〜〜・゜*〜〜・゜*〜〜






バックナンバーリストへ ホームへ戻る