****** KJCニュース ≪スイミー≫ No.66 ******  2002.11.9

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│転載転送歓迎│
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全国のNGO・市民のみなさんへ
     “自然再生推進法案”についてのご報告

先日お願いしました、各国会議員へのFAX・メールでのご意見送付に
ご協力いただき、ありがとうございました。
いろいろなところにその効果が出てきたようです。
11月5日の朝日新聞朝刊に「自然再生推進法案」をめぐる国会での動静
について、次のような記事が掲載されました。


   「自然再生法案 修正探る」 
                〜環境団体などの批判受け〜

 開発で損なわれた湿地や河川などの復元を掲げる自然再生推進法案の行
方が、野党や環境団体の批判を受けて不透明になってきた。「法律が公共
事業の隠れみのになりかねない」との指摘や批判に、今国会での成立を目
指してきた与党3党の間にも、修正を模索する動きが出始めた。
 自然再生推進法案は、与党3党が議員立法でまとめた。自然環境の保全、
維持管理などの再生事業について、政府の基本方針に従ってNP0(非営
利組織)などが加わる協議会組織が個別計画を作る、という内容だ。
 しかし、与党は民主党と10月末、継続審議になっている同法案の扱いを
協議した。席上、与党側は「広く野党の賛成を得るため、具体的な提案が
あれば修正もあり得る」との姿勢を示し、法案審議より、修正協議を先行
させる構えだ。
 背景には自由、社会民主、共産各党や市民団体などの反対がある。「過
去の開発への反省を法案に明記すべきだ」「批判が強い従来の公共事業へ
の歯止めになっていない」など、自然破壊をまず止めるべきだとの声は
根強い。
 また、自然再生の趣旨は認めつつも、環境への影響の事前評価や、問題
が見つかった時の事業中断の仕組みが不十分、との批判もある。
 さらに、再生事業を環境省と共管するのが従来型公共事業の「総本山」
とされている農林水産、国土交通両省であるという点にも「自然再生の名
目で、新型公共事業が始まりかねない」(民主党関係者)との懸念が寄せ
られている。
                          【朝日新聞11月5日】


この記事を受け、改めて

・@「川辺川ダム」「長良川河口堰の運用」「諫早湾の干拓」の即時中止を求める
 ANGOや研究者とこの百年間の開発を反省するテーブルを設け、一年くらい
 「自然再生」に向けてのディベートする
 という二点が「自然再生法案」には不可欠である
・野党はこの法案について、「与党案廃案」と「野党案の結実」の方向に急ぎ動く
 こと
・それに先立って、「公共事業チェックを求めるNGOの会」(402団体)などと、
 野党の皆さんとの協議の場をいそぎ、設置していただきたいこと

を文書にまとめ、記事を添えて以下の全議員へ送付いたしました。

 ・衆参の環境委員会の野党議員全員
 ・「公共事業チェック議員の会」の所属議員全員
 ・民主党の鳩山由紀夫・菅直人・前原誠司・小林守・小宮山洋子・佐藤謙一郎
  鮫島宗明・奥田健・五島正規・岡崎トミ子・金田誠一・海江田万里・佐藤敬夫
  横路孝弘・野田佳彦・筒井信隆・仙谷由人の各氏


送付した全文は「公共事業チェックを求めるNGOの会」HPにありますので、
こちらをご覧下さい→ http://www.ktroad.ne.jp/~kjc/021109sizen.html


♪〜NEWS〜♪

7日付けで、WWF-J、日本自然保護協会、日本野鳥の会が連名で、衆参両院の
環境委員宛てに、「自然再生推進法案に対する要望」を提出しました。


                            2002年11月7日
衆議院 環境委員会委員 各位
参議院 環境委員会委員 各位
                (財)世界自然保護基金ジャパン
                (財)日本自然保護協会
                (財)日本野鳥の会


    「自然再生推進法案」に対する要望

 私たち自然保護団体は、2002年7月、「自然再生推進法案に対するNGOからの提
案」を提出し、自然再生推進法案に対して、6項目の修正を求めました。この後、
与野党の環境委員会委員各位による検討の結果、次の4項目の修正が行われ、本
臨時国会に提出されました。

1. 法の目的および基本理念に「生物の多様性の確保」を加える
2. 基本理念に、「透明性の確保」を加える
3. 「自然再生推進会議」の下に、「自然再生専門家会議」を設置する
4. 法施行後5年後に見直しをする

 自然保護団体の提案を受け止め、修正案が作成されたことに対しては評価をい
たします。しかしその後、霞ヶ浦においては(NPO)アサザ基金が水辺の植生の
回復を地道にすすめて来たにもかかわらず、国土交通省が水位上昇を伴う水位管
理の再開を一方的に決定したり、沖縄では本島最大の海草藻場を誇る泡瀬干潟に
おいて、海草移植をすれば埋め立ててもかまわないという理屈で埋め立てが開始
されるなど、自然再生事業に対する市民団体の懸念を拡大させる事態が発生して
います。

 このような状況下にあってもなお、自然再生法修正案には以下のような問題点
があり、自然再生推進法案に対する市民団体からの懸念を払拭できていません。
こうした点の解決が、担保されないのであれば、この法案は急いで可決すべきで
はなく、NGOを交えて法案作成段階から改めて議論した上で、出直すべきである
と考えますので、下記のとおり要望いたします。

                  ━━ 記 ━━

(1) 国会における本法案の審議にあたっては、法案に懸念を抱く団体・専門
家からも参考人として広く意見を聞いた上で、慎重に審議すること。

(2) 個々の自然再生事業が、環境基本計画や生物多様性国家戦略など、わが
国の環境保全に関する基本計画にもとづいて実施されるものであることを保証す
るため、環境大臣は、自然再生基本方針の下、国民意見のヒアリングを経て、
「自然再生基本計画」を樹立し、国土の自然再生のグランドデザインを具体的に
明示するものとすること。

(3) 個々の自然再生事業が、保全生態学にもとづいて科学的に実施されるも
のであることを保証するため、自然再生事業実施計画に、モニタリング調査とそ
れにもとづくフィードバックの方法に関する項目の記述を義務付けること。また
自然再生協議会には、独立機関として保全生態学の専門家を含む科学委員会を設
置し、自然再生全体構想と自然再生事業実施計画について、科学的な検討と助言
を行うものとすること。

(4) 個々の自然再生事業を、主務大臣が事業認定する際に、生態学的に過っ
た自然再生事業でないことを保証するため、主務大臣は自然再生専門家会議の意
見を「聴くことができる」ではなく「聴かなければならない」ものとすること。

                                以上

問い合わせ:
(財)世界自然保護基金ジャパン 自然保護室 草刈秀紀 TEL 03-3769-1713
(財)日本自然保護協会      保護研究部 吉田正人 TEL 03-3265-0523
(財)日本野鳥の会         自然保護室 古南幸弘 TEL 042-593-6872



☆━今日のお知らせ━━━━━━━☆

★「盟約2002」発足のお知らせ
★写真展と本田勝一講演会&コンサートのお知らせ
★「大規模林道を斬る!! 中村敦夫さん 講演会」のお知らせ
★「自然の権利」基金から「ジュゴンぱらだいす」のご案内
★「黒部川ウオッチング・富山ネットワーク」より署名のお願い再び

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◆「盟約2002」発足のお知らせ

■◆”盟約2002”
■■   「指きりげんまんネットワーク」とは……

「無党派(支持政党なし)市民の政治参加・政治改革への意欲を活かす受け皿
となり、5つの盟約を具現化する議員や首長を多数誕生させる」 ことを目的と
した市民の集い・つながりです。

〈呼びかけ人 10/27現在〉
 天野礼子・五十嵐敬喜・井坂信彦・今井一・折田泰宏・喜福武・黒田征太郎
 小林カツ代・近藤鞠子・斎藤駿・佐喜眞道夫・新屋英子・住友達也・竹下景子
 知花昌一・なみほ・野口英一郎・畑山敏夫・板東孝明・増田京子・村上稔
 山口二郎・吉田大介

▼転落する日本政治

長年にわたり権力を私物化してきた巨大政党と迫力に欠ける野党。日本の政治
は、貧しく虚しい状態が続いています。選挙の際、有権者の半数を占める無党派
層は行き場がなく、ほとんどが「棄権」。急ぎ、国政レベルでの無党派層の政治
参加の「受け皿」を作らなければ、次の国政選挙でも50%前後の投票率で自民党
が勝ち、自公保政権が続くことになります。
公平で平和な社会をつくるために、政治に参加し行政を監視しようと考えている
市民はたくさんいます。
しかしながら、「ダム」にせよ「原発」にせよ「基地」にせよ、結局は自治体政治
のみならず国政をも変えないと、問題の根本的な解決に至らないということが、
これまで以上に明らかになってきました。(中略)
空しさに暮れながらの「おまかせ民主主義」。何とかそれを阻み、「転落」に歯止
めをかけなければなりません。そのために、無党派市民の政治参加の「受け皿」
作りにとりかかりましょう。
http://meiyaku.loops.jp/siryou/leaf.htm

▼5つの盟約とは……

1.日本を「非戦国家」としてリニューアルする。
2.脱原発を進めると同時に、経済成長至上主義から脱却する。
3.住民投票・国民投票を法制化する。
4.悪しき公共事業を止める。
5.徹底した情報公開と行政監視を行なう。
http://meiyaku.loops.jp/siryou2/seisaku.htm

▼結成総会に参加してください

12月8日に結成総会を開催します。この総会に、友人や仲間を誘って、ぜひご参加
ください。

日時:12月8日(日) 2:00p.m.〜6:00p.m.
定員:150人
参加費:1000円(学生500円)
ところ:カタログハウス・セミナーホール
     東京都渋谷区代々木2-12-2 カタログハウス本社ビル地下2F
 地図はこちら→ http://meiyaku.loops.jp/siryou/200210leaf7-0.pdf
 (リーフレット 8ページ)

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〈盟約2002〉/指きりげんまんネットワーク暫定事務局
〒540-0004
大阪市中央区玉造1-14-14-3F
TEL/FAX: 06-6191-5313
E-mail: meiyaku@athena.ocn.ne.jp
http://www2.loops.jp/~meiyaku/
御意見・御質問などは上記アドレス宛てにお寄せください。
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◆「石川文洋&中村梧郎写真展」と
     「横井久美子コンサート&本田勝一講演会」のお知らせ

今から30年前、日本は大きなうねりの中にあった。沖縄返還、ベトナム戦争・
パリ和平協定調印、日中国交回復、四日市公害裁判判決・・・。30年の節目を
迎えた今年・2002年、沖縄・ベトナムとともに歩んできたフォトジャーナリス
ト、石川文洋・中村梧郎の二人展を企画した。
切っても切れない二つの地―沖縄とベトナム。そこに暮らす人びととの日常、
民族・文化、そこに起きたこと、そして今をみつめる。
初めての二人展を記念して、シンガーソングライター・横井久美子と、ジャーナリ
スト・本田勝一を迎え、コンサートと講演を開催する。
30年前若者だった人も、今の若者も、ともに集い、未来を語り合いたい。

■石川文洋・中村梧郎二人展
  日時:11月14日(木)〜20日(水)
  場所:岐阜市民会館 2Fギャラリー
  入場無料

■横井久美子&本多勝一  コンサートと講演
  日時:11月17日(日) 13:00〜16:30
  場所:岐阜市民会館 大ホール
  協力券:大 人(前売り)2,000円
       大学生(前売り)1,000円
       高校生以下 無料(整理券が必要です)

主催:「沖縄・ベトナム その30年」の会
後援:岐阜市教育委員会・中日新聞社・岐阜新聞社・朝日新聞社・
    毎日新聞社・岐阜放送(順不同)

詳細は http://hotspace.jp/~gifu2001/index.htm
お問い合わせ
 058-294-7517(後藤)  058-296-4038(松井)


◆環境の世紀―紋次郎、大規模林道を斬る!!
「公共事業チェック議員の会」・会長、参議院議員 中村敦夫さん 講演会

日時:11月23日(土)午後7時〜9時 

場所:「さくらぴあ」(はつかいち文化ホール)小ホール

プログラム
@:「大規模林道」とは何か― 
   講師:藤原 信さん
    (宇都宮大学名誉教授・大規模林道問題全国ネットワーク代表委員・
     「みどりの会議」運営委員)
A:環境の世紀―紋次郎、大規模林道を斬る!!
   講演:中村敦夫さん
    (参議院議員・「みどりの会議」代表委員)
B:フリートーク・質疑応答

資料代:500円

主催:廿日市・自然を考える会
後援:吉和の自然を考える会・ 森と水と土を考える会

■中村敦夫さん講演会へのお問い合わせ・お申し込みは、
 廿日市・自然を考える会  高木(0829−39−6655・FAX兼用)
 吉和の自然を考える会   谷田(090−4804−1037)
 森と水と土を考える会   原戸(082−293−6531・FAX兼用)
 のいずれかにお願い致します。講演会チケットのお申し込みもこちらへ!

〓 <現地視察>紋次郎と細見谷を歩こう!! 〓

 「公共事業チェック議員の会」・会長
中村敦夫さんと大規模林道予定地・十方山林道を視察しませんか?

■開催日:11月23日(土) 雨天決行

■集合:広島市内 県庁北側に午前9時
     現地 吉和村中津谷分かれに午前10時30分

■視察:正午頃〜午後2時30分頃
 中村議員とともに十方山林道・細見谷渓畔林を視察します。
 視察後は自由解散です。是非夜の講演会にもお越し下さい!
 スタッフの自動車に同乗された方はJR廿日市駅に、講演会
 にご参加の方は会場までお送り致します。

■参加費:無料。車同乗の方1,000円。

■必要品:弁当、水筒、雨具、防寒具、軽登山靴など、山歩きができる服装

■申し込み・お問い合わせ:
TEL082−293−6531(FAX兼用)原戸(森と水と土を考える会)へ 
11月20日までに必ずご連絡ください。
(当日連絡: 070―5677―5189 守田 へ)

主催:廿日市・自然を考える会
後援:吉和の自然を考える会・森と水と土を考える会

  大規模林道事業の中止を求める署名につき
  ましては、来年春までに5万筆を目標に、
  引き続きご協力をお願いしております。
http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/2693/



◆「自然の権利」基金から
   沖縄ジュゴン関連イベント「ジュゴンぱらだいす」のご案内

日時:2002年11月23日(祝・土) 
      昼の部 12:30開場、13:00開演 
      夜の部 17:00開場、17:30開演

場所:名古屋市西文化小劇場
    (愛知県名古屋市西区花の木2-18-23 TEL052-523-0080)

入場料:大人2,500円、高校生以下1,500円 全自由席
 (前売券、当日券の区別はありません。当日ご来場いただいて受付でチケット
  購入可。ただし、満席の場合はご容赦下さい)

プログラム:
*昼の部 
  第1部 沖縄民謡 上運天有二(三線弾き手)
  第2部 「自然の権利」対談 ―ジュゴンが原告になれるの?― 
        籠橋隆明(「自然の権利」基金事務局長 弁護士)
        輿石安奈
         (沖縄のエコツアー会社「エコネット美【ちゅら】スタッフ)
  第3部 一人ゆんたく芝居 藤木勇人(一芸人)
  第4部 エイサー ちむどんどん

*夜の部 
  第1部 沖縄民謡 八重山古典民謡保存会
  第2部 「自然の権利」対談 ―ジュゴンが原告になれるの?― 
        籠橋隆明(「自然の権利」基金事務局長 弁護士)
        輿石安奈
         (沖縄のエコツアー会社「エコネット美【ちゅら】スタッフ)
第3部 一人ゆんたく芝居 藤木勇人(一芸人)
  第4部 エイサー わしたゆんたくバンド&まいふなエイサー

お問い合わせ先:「自然の権利」基金事務局
 TEL 052-528-1562/FAX 052-528-1561
 〒451-0031 
 愛知県名古屋市西区城西一丁目12番12号 パークサイドビル3階
 E-MAIL rights-of-nature@mqc.biglobe.ne.jp


◆「黒部川ウオッチング・富山ネットワーク」より署名のお願い再び

「黒部・黒薙川を現状のまま保全することを求める」賛同団体は10月28日現在
37団体の方に賛同いただいています。ご協力ありがとうございました。
 なお、署名の提出は11月18日に黒部工事事務所、20日に国土交通省本所に
それぞれ予定しており、11月16日を集約日にしたいと思います。本日新たに
明らかになった資料で黒部工事事務所は今後新たに5基の砂防ダムの計画が
あることが明らかとなりました。このままでは柳又谷はもとより、黒薙川流域は
゛死゛にます。残り3週間、引き続き多くの賛同を集めたいと思います。知りうる
限りの団体に声を掛けていただければ幸いです。
詳細はこちらに http://www.ktroad.ne.jp/~kjc/021018kurobe.html

黒部・黒薙川の自然を未来に残す連絡協議会

金谷敏行(黒部川ウオッチング・富山ネットワーク)
Tel/Fax 076-463-5607
kanaya2001@nifty.com



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┃各NGOからのお知らせ等に関しては、お問い合わせ・その他については
┃それぞれの連絡先へお願いします。
┃内容についてKJCがすべての責任を負うものではありませんので、
┃その点はご了承ください。
┃また、配信停止のお申し出は事務局までご連絡ください。 
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  公共事業チェックを求めるNGOの会 
      tel 058-272-8495
      fax 058-271-8279
     http://kjc.ktroad.ne.jp/
      kjc@mx1.ktroad.ne.jp
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