****** KJCニュース ≪スイミー≫ No.77 ******  2003.3.27

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│転載転送歓迎│
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★第3回 「世界水フォーラム」参加セッション「ダム建設は必要か?
  (Are dams constructions necessary?)」のご報告

3月21日、京都国際会館において、KJC主催による世界水フォーラム
参加セッションが無事、終了しました。
新聞等で報道された「世界水フォーラム閣僚宣言」に疑問をもたれた方
も多いかと思いますが、それらについて、当会スタッフからご報告いたします。

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  「第3回世界水フォーラム」とは、なんだったのか?

リオの国際環境会議で水に関する会議が必要と決まったものですが、
決して正式な国際会議ではなく、利権企業や利権集団(世界水会議)の集まり
です。
したがって、この会議での決定事項には、なんら拘束力はないのですが、
主催者、各国政府やマスコミもこぞって、正式な国際会議であるかのように見せ
ようとしています。

・NGOの参加
これまではNGOの参加を拒絶していましたが、第3回は議長国日本の配慮から
NGOの参加が可能となりました。
これに参加して意見を述べた方が良いのか、拒否してお墨付きを与えない方が
良いのかは多くのNGOでも意見が別れましたが、「公共事業チェックを求める
NGOの会」は参加して意見を述べることを選択しました。
IRN(International Rivers Network)やFoE(Friends of Earth)なども、ダム開
発の問題と代替案を主張しました。
しかし、フォーラム内部ではNGO意見の無視や叩き潰し、傀儡メディアによる偏
向報道、非公開決議などが横行しました。

・NGOの主張 
<ダムについて>
WCD(世界ダム委員会)の勧告に従い、大型ダムは多くの未解決問題や犠牲を
伴うため、他の方法を優先的に検討すべき。

<水の民営化>
水は商品ではなく、水は人権である。現実に民営化で、とりかえしのつかない多く
の問題が各国で発生している。

・NGOの意見は反映されたのか?
閣僚宣言において、NGOの意見はほとんど無視されたといってよいでしょう。
美辞麗句が並べられていますが、NGOが強く主張した下記の2点は無視されまし
た。
 1.「WCDの勧告を考慮すべき」
 2.「水は人権である」

・WCD(世界ダム委員会)
推進派は、このWCDの勧告をとても恐れています。
なぜなら、ダム推進派、反対派の有識者が集まり、検討した結果だからです。
これをもっと活用して、各国政府がこの勧告を考慮するように求めることが必要で
す。

・水の民営化
「民営化の方が良いのでは?」との意見もダム反対市民からもしばしば聞かれます
が、

過剰な水資源計画>無駄なダム開発>公営水道の経営難>公営水道の民営化案

この構図での問題は、水資源計画を市民にとりかえすこと(水資源開発公団の解
体)こそ重要であり、単なる水道の民営化では何も解決されません。

WCDについては、下記を参照ください。日本語版冊子も販売されています(KJCニュー
ス≪スイミー≫No.71参照)
KJCのページ
http://nagara.ktroad.ne.jp/siryou/wcd.html
http://nagara.ktroad.ne.jp/press/p00-2-22.html
FoE-Japanのページ
http://www.foejapan.org/
WCDのページ
http://www.dams.org/news_events/outline_jp.htm

太田勝之(長良川河口堰建設に反対する会・大阪)

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ホームページでも当日のご報告と講演者のレジメ・プロフィールをUPしておりま
す。
http://www.ktroad.ne.jp/~kjc/030322smf.html

メインゲストのディビッド・ウェグナー氏は、残念ながらイラク戦争のため、来日
できませんでしたが、その予定されていた講演の内容がホームページに載って
おります。
これからの市民運動のあり方を考える上でも大変参考になる内容ですので、ぜひ、
ご一読ください。
http://www.ktroad.ne.jp/~kjc/030322weg.html

また、このシンポジウム開催にあたって、たくさんの方からカンパをいただきまし
た。ありがとうございました。
活動資金として有効に使わせていただきます。



☆━今日のお知らせ━━━━━━━☆

★「森と水と土を考える会」から
★「ジュゴン保護キャンペーンセンター」からのお知らせ
★おすすめ本

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◆「森と水と土を考える会」から署名終了のお知らせ

 春の訪れが遅れておりますが、ご活躍のこととお喜び申し上げます。
「十方山林道の大規模林道化事業の中止を求める署名」では大変お世話
になりました。「中止を求める署名」の署名総数は二万筆に迫り、対マスコ
ミ・行政に大きな成果を挙げました。
 さて、昨年私たちは、河野昭一京都大学名誉教授(国際自然保護連合委員)
のグループのご指導で、細見谷の学術調査を実施いたしました(その成果は
報告書「細見谷と十方山林道」に収められ、日本自然保護協会の会報「自然
保護」の3/4月号にも紹介されています)。

 この学術調査から、細見谷を傷つけることなく次の世代に手渡すための、
新たな方向性が見えてきました。それは、現在西中国山地国定公園第二種特別
地域に指定されている細見谷渓畔林をより厳正な保全対象に格上げするよう求
めていくことです。その一つとして、現在、細見谷渓畔林を、西南日本を代表する
渓谷の湿地(ウェットランド)として、ラムサール条約の指定地に登録しよう、と
いう動きが生まれています。
なお、この間の最新の情報につきましては、「ぼくらの川のブナの森」のリンク
ページ
「− 山本明正の薬、人生そして山 −」の「十方山林道を考える」
http://www.terra.dti.ne.jp/~akimasa/
をご覧頂けると幸いです。

 私たちはこの取り組みに全力を集中すべく、「中止を求める署名」を3月いっぱ
いで終了することに致しました。皆様には署名集め、メーリングリストやホーム
ページでの呼びかけなどお力添えを下さり心よりお礼申し上げます。
これからもお力添えをどうぞよろしくお願い致します。
なお、お手元にお集め頂いたご署名をお持ちの場合、4月5日までに下記へ郵送
頂けると幸いです(第二筆の署名を持って関係各機関と交渉いたします)。
 皆様のご健康とご多幸を祈念いたします。ありがとうございました。

署名送付先:
〒733-0022 広島市西区天満町9-8 
森と水と土を考える会・事務局(TEL・FAX 082-293-6531)

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原 哲之 nt-hara@f3.dion.ne.jp
〒733−0852 広島市西区鈴が峰町40−8−202
TEL・FAX 082−278−1044
URL:
「環・太田川」
http://hiroshima.cool.ne.jp/kan_ootagawa/
ぼくらの川のブナの森
http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/2693/



◆「ジュゴン保護キャンペーンセンター」から

   沖縄のジュゴンに心を寄せる皆さま(転載歓迎)

 沖縄のジュゴンの生息地への新基地建設を巡る環境アセスメント
がいよいよ始まろうとしています。アセスの要である方法者が7月に
も出されるとのことで、3月3日に防衛施設庁・那覇防衛施設局との
交渉を行いましたが、事業者=防衛施設庁のアセス軽視の姿勢が
ますます明らかになっています。
 一方で3月18日の参院予算委員会で、沖縄のジュゴンが在日米軍
の環境基準「日本環境管理基準(JEGS)」に指定されていることが
明らかになりました。国内外に広がるジュゴン保護の声が、在日米軍
にジュゴン保護の姿勢を取らせたのです。
 貴重な沖縄のジュゴンを絶滅に追いやる新基地建設を許すかどうか、
ジュゴン保護の取り組みはいよいよ正念場を迎えています。
 連続セミナーを開催しますので、皆さまの参加をお待ちしています。

「市民からの環境アセス」 連続セミナー

・第2回 3月29日(土) 18時30分−
「辺野古の海のサンゴとジュゴン」
講師:目崎茂和さん(南山大学教授)
場所:京橋区民館(JR東京10分、地下鉄京橋3分)
http://www.city.chuo.tokyo.jp/index/000456/007813.html
参加費:700円(一般)、500円(会員)

ジュゴンを育んできた辺野古の海のサンゴは今回の新基地
建設で埋立てられようとしています。この貴重なサンゴを調査
された数少ない研究者である目崎さんから、辺野古のサンゴの
重要性と何故辺野古の海にジュゴンが生き残ったのかを報告
してもらいます。

・第3回 4月27日(日) 14時−
「始まったジュゴンアセス−私たちに何が出来るのか」
講師:島津康男さん(環境アセスメント学会会長)
場所:文京区民センター(JR水道橋7分、地下鉄後楽園・春日3分)
http://members.tripod.co.jp/south_island/maps/bunkyo.html
参加費:700円(一般)、500円(会員)

今後、様々なテーマでセミナーを開催する予定です。一緒に学習を
行い、取り組みを手伝っていたたけるスタッフを募集しています。

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竹内宏彦(03-5228-1377、090-3802-4604)
hi-takeuchi@dab.hi-ho.ne.jp
http://www.sdcc.jp/ SDCC(ジュゴン保護キャンペーンセンター)
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◆おすすめ本  〜草島進一さんからのお便り〜

「世界4月号」
 今、発売されている岩波書店の「世界」に、Waterwatchnetwork として、
そして市議会議員として取り組んできた、月山ダムと鶴岡の水道の問題に
ついてのインタビュー記事が6pにわたり掲載されています。

・政治の場でもっと「水」を語ろう 
・水道難民の発生
・埋められた井戸
・水需要予測と利権のカラクリ
・水の政治が必要

また、この「世界」では、島津先生や保屋野さんの、民営化、ダム論も展開されて
いてオススメです。

ぜひ御覧いただければ幸いです。

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鶴岡市議会議員
waterwatchnetwork
草島進一
stern@jca.apc.org
http://www.kusajima.org
http://www.jca.apc.org/water-w
http://suido110.org
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      tel 058-272-8495
      fax 058-271-8279
     http://kjc.ktroad.ne.jp/
      kjc@mx1.ktroad.ne.jp
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