****** KJCニュース ≪スイミー≫ No.86 ******  2003.12.05

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│転載転送歓迎│
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☆━今日のお知らせ━━━━━━━☆

★「八ッ場ダムを考える会」から緊急集会のお知らせ
★「長良川河口堰」「徳山ダム」の"水余り"を愛知神田知事が事実上容認
★おすすめ本&サイト『山もりのババたち――脱ダム村の贈り物』

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◆緊急集会「八ツ場ダムを考える」

倉渕ダムの建設が事実上凍結されました。
八ツ場ダムは、新聞にも報道されたように、総事業費
4600億円に増額されました。水源連の嶋津さんの計算
によると、水源地域対策特別措置法の事業、水源地域
対策基金事業、利息も含めると、8576億円という日本一の
金くいダムとなりました。
地すべり、最悪の水質、首都圏の水あまり・・・あまりにも
問題の多いダム事業に、なぜ湯水のごとく税金を投入し、
吾妻渓谷を鉄とコンクリートの捨て場にしなければならないのか?

緊急集会「八ツ場ダムを考える」を以下のように開催しますので、
是非ご参加ください。200人の会場ですので、周りの方にもお声掛けください。

●日時:12月7日(日) 午前10時より
●場所:群馬女性会館 2階ホール
●発言者:群馬県鬼石町長     関口茂樹氏
        東京都環境科学研究所 嶋津暉之氏

*集会アピールを群馬県知事、県議会に提出します。

● 主催:八ツ場ダムを考える会
     首都圏のダム問題を考える市民と議員の会


≪関連記事≫

「県民理解得難い」 八ツ場ダム事業費増

国土交通省は20日、長野原町で建設中の八ツ場ダムで、総事業費を現行の2.18
倍となる4千6百億円に増額する基本計画変更案を発表、同日の国交省関東地方整
備局事業評価監視委員会で了承された。今後関係5都県の意見聴取、各都県議会の
議決などを経て決定する。増額は水没関係者の生活再建策の変更や、物価上昇が
大きな要因。県は17年ぶりの事業費見直しで負担金が83億円増となることに「県民の
理解を得るのは難しい状況」として、21日に一部負担金の国負担化や事業費圧縮
などを国に要請する。
小寺弘之知事は、基本計画の変更に「総事業費が4千6百億円と、現行計画に比べ
2倍以上になると聞き、さまざまな事情、要因があるにしても大幅な増加に驚いてい
る」とコメントした。
変更案によると、事業費の増額は水没関係者の生活再建にかかわる費用が現行の
459億円から1574億円に増加、全体増加額の45%を占めた。現行で見込んでいない
物価上昇などは735億円で、全体増加額の30%。設計や施工の変更、環境対策など
は484億円の増額となった。
国交省は、水没関係者の生活再建にかかわる増額について、基本計画後に現地調査
を行った結果、補償対象が増加したほか、補償交渉で代替地造成場所を変更したこと
で護岸工事などが増加したと説明。現行計画で物価スライドを勘案していないのは
「変動の予測が難しい」とし、工事費などで559億円のコスト縮減を図ったとしてい
る。

事業費増額により、県の負担は治水分が39億円増となり、吾妻川の流水確保を
図る不特定利水分として新たに29億円が上積みされる。県企業局の利水分は国の
補助が見込まれものの、15億円増となる。
これに対し、県は地元への補償を確実に行った上で、負担金軽減を図る必要性を強
調。不特定利水分29億円の国負担とともに、設計や入札、契約方法などの徹底的
な見直しによるコスト削減を国に要望する。
利水の負担額が10億5千万円から23億円に増加する藤岡市も「増加分を水道料
金に反映させるのは難しい。財政が厳しいので負担の増額には起債も視野に入れ
検討する」と苦渋の表情だ。

◎「納得できる情報開示を」
20日に東京都内で開かれた、学識経験者などからなる国土交通省関東地方整備局
事業評価監視委員会は、八ツ場ダムなど4カ所のダム事業について審議した。
八ツ場ダムに関し、すでに半世紀近くかかっていることから、委員からは「なぜこ
んなに時間がかかって事業費が上がるのか」「国民が納得できるよう、情報開示をし
てほしい」などの質問や要望が出された。
                        [上毛新聞2003/11/21より]



◆愛知県の神田知事「水余り」容認 ―― 水道水への転用も

事業費が問題になっている徳山ダムをめぐり、神田知事は2日の県議会で、
長良川河口堰で未利用になっている工業用水を水道水に転用し、徳山ダムで
確保している利水容量を減らす意向を示した。愛知県が否定してきた河口堰の
「水余り」を事実上認めた発言で、徳山ダム建設の必要性が改めて問われそうだ。

愛知県は河口堰で毎秒2.86トンの水道水と、毎秒8.39トンの工業用水を確保
しているが、工業用水は、実際には利用先がなく「水余り」になっている。徳山ダム
ではさらに毎秒4トンの水道水を確保する計画だった。
ところが、事業費の大幅増に絡んで、長良川や上流に徳山ダムがある揖斐川など
の利水計画のもとになる木曽川水系水資源開発基本計画(フルプラン)の改定作業
が始まり、同県は長良川河口堰と徳山ダムの利水容量を見直すことにした。
県によると、工業用水の需要が予測を大幅に下回り、「河口堰の水が今後必要に
なる可能性は低い」(企業庁)。このため、河口堰の工業用水を水道水に転用する。
徳山ダムの水道水分を減らすことが可能になり、結果的に徳山ダムの建設費負担
の軽減につながるという。

長良川河口堰の「水余り」はこれまで再三指摘されてきた。しかし、工業用水分の
建設負担金の支出差し止めを求める住民訴訟で、愛知県は「将来、水需要が発生
する」と主張し、今年3月、最高裁で県の勝訴が確定した。
原告代表だった伊藤達也・金城学院大教授は、今回の転用方針について「判決から
8ヶ月ほどで、舌の根も乾かないうちに水余りを認める転用を言い出すとは、裁判所
をばかにしている。現実に愛知県の水道水は余っており、まず徳山ダム事業から
撤退すべきだ」と話している。
                        [朝日新聞 2003/12/3より]



◆おすすめ本&サイト 『山もりのババたち――脱ダム村の贈り物』

『山もりのババたち――脱ダム村の贈り物』の著者・玄番真紀子さんがPCJF
(平和・共同ジャーナリスト基金)の「奨励賞」を授賞することとなりました。
  凱風社  http://www.gaifu.co.jp/ 

同基金は毎年1回、「平和問題、核問題、反核平和運動や、人々の協同・連帯、協
同組合運動、人権擁護などに関する優れた作品」や、業績を残したジャーナリスト等
を顕彰して「平和・協同ジャーナリスト基金賞」(PCJF賞)を贈呈しています。
  PCJF  http://www.pcjf.net/

同基金のホームページによれば、「平和と協同を目指す市民の運動を広く市民に伝
えようというジャーナリストらの活動は、現実には、日本のジャーナリズムの世界で
はなかなか光が当たりにくい分野となっています。むしろ、最近では、タカ派的な
言論が勢いを増す中で、孤立化しつつある傾向さえあります。市民の側に立って、
平和と協同に関する市民の活動を積極的に報道するジャーナリストらをもっと増や
し、支援したい」という目的で、1995年8月に設立された市民組織です。
基金は、PCJFの設立趣旨に賛同した人々の寄金によって維持されています。
  
≪書評≫ http://www.gaifu.co.jp/review/yamamori.html#crayon

●女性の本の情報紙『Womann's EYE』「落合恵子・ブッククラブ」
           (2003年5月号、ミズ・クレヨンハウス)

 徳島県の小さなむらの「ババたち」は、「金はいらん、川を守りたい」とダム建設
を拒絶。
推進派の県を相手に、志を捨てず、ようやく建設完全中止を勝ち取った。ホッとした
のも束の間、建設は中止になっても、ダムにまつわる問題が次々に浮上。それでも
「ババたち」は持ち前の知恵とパワーで、立ちはだかる壁を崩し、横たわる溝を超え
ていく。著者は、この村と、「ババたち」に魅せられて、都会から移り住んだひと
り。
本の前半は「ババたち」の活躍を活写する「アクション編」、後半では普段着の暮ら
し振りを丁寧に綴った「暮らし編」。
はははと笑い、憤り、ひとりひとりが柔かく結ばれていく村の暮しの、なんとラジカ
ルで美しいことか。真夜中本書を読んで、なんだかむしょうに嬉しくなってしまっ
た。

玄番隆行・真紀子さんのサイトはこちら↓
      KuKuLu Streams  http://www.f5.dion.ne.jp/~kukulu/



◆「長良川河口堰建設に反対する会」より

先日、発送した「長良川ネットワーク」の中で、6ページの「フライの雑誌社」様の
広告の電話番号が間違っていました。
正しくは下記のとおりですので、訂正しおわび申し上げます。
フライの雑誌  電話番号 03−3307−5608(正)
                03―3307―56608(誤)


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  公共事業チェックを求めるNGOの会 
     http://kjc.ktroad.ne.jp/
      kjc@mx1.ktroad.ne.jp
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