公共事業に関する民主党代表の「特別諮問機関」について

2000年11月1日 第一次意見書「緑のダム構想」
2000年12月15日 中間答申 「公共事業を一から見直すために」
2001年3月 最終答申(その1)「公共事業の解体と再構築
2001年5月30日 最終答申 「ポスト公共事業」


  2000.10.15

10月12日に、民主党に代表の諮問機関「「公共事業を国民の手に取り戻す委員会−日本の自然を再生させるために−」が発足しました。この委員会は法政大学の五十嵐敬喜教授(公共事業論)を座長として、各界の研究者ら13名で構成されています。
 これまで、私ども「公共事業チェックを求めるNGOの会」は、「公共事業コントロール法」成立に努力する各政党を応援し、さまざまな国際シンポジウム等も開催して「公共事業の世界の潮流」を皆さまや国民にお伝えしてきました。その"世界の潮流"は、一見違うようにみえる二つのキーワードで表現できます。一つは「財政のためにも、不要な公共事業を見直す」であり、もう一つは「お金がかかっても、自然を再生させる」です。ヨーロッパもアメリカも経済的に苦慮しながらも、20世紀に急ぎすぎた開発によって後ろのないところまで追いつめてしまった自然を再生させるために、この二つに取り組んでいる中、日本だけがこの"世界の潮流"に逆行しているというのが現実です。
 そこで。このたび民主党が上記のような特別諮問機関を設立されるにあたり、当会としてもサポートしてゆきたいと考えました。

以下、民主党発表の資料より転載

「公共事業を国民の手に取り戻す委員会−日本の自然を再生させるために−」

 わが国は温帯にあって、三つの海に囲まれ、海から生まれる一滴が列島の山々にあたり、川をつくり、その流れが海に注ぐために美しい四季を持つという、世界でも最も美しい、過ごしやすい国であった。
 その美しい日本が、ここ百年の異常なスピードでの開発で、哀れな姿になっていることは、わが国の誰もが憂えるところである。
 あと数カ月で21世紀を迎える今、わが日本に必要とされる思想は 「21世紀は20世紀と同じスピードで開発しない。21世紀は国民の理解を得て、自然を再生する世紀にしなければならない。」というものであろう。
 しかし、日本の現状は、自民党とそれを支える政権の枠組みでは、21世紀の入り口の2001年1月6日に、省庁改革によって、巨大な開発官庁である「国土交通省が」出現してしまうのである。
 私たちは今こそ、21世紀に向けての、日本列島のあるべき姿についての指針を発表するために、「公共事業を国民の手に取り戻す委員会−日本の自然を再生させるために−」を結成する。

座長
五十嵐敬喜 法政大学法学部教授・公共事業論

委員  (アイウエオ順)
天野礼子 アウトドアライター          
宇井 純 沖縄大学法経学部教授・環境科学
荏原明則 神戸学院大学法学部教授・行政法
大熊 孝 新潟大学工学部教授・河川工学
河野昭一 京都大学名誉教授・植物生態学
嶋津暉之 東京都環境科学研究所研究員
藤原 信 宇都宮大学名誉教授・森林計画学
高田直俊 大阪市立大学工学部教授・土木工学
保母武彦 島根大学法学部教授・財政学
松永勝彦 北海道大学水産学部教授・水産環境科学
水口憲哉 東京水産大学助教授・資源維持論
山口二郎 北海道大学法学部教授・政治学


民主党代表より委員会への諮問事項   
                     
1 "全総"の抜本的な見直しなど、これまで公共事業神話に基づいて進められてきた、国の根幹に関わる公共事業のあり方ついて
2 今回の省庁再編に欠けている、公共事業発注官庁のあるべき姿について
3 無駄な公共事業の削減や公共事業の効率化など、公共事業費を5年で2割、10年で3割削減するための具体的方策について
4 将来に引き継ぐ貴重な自然環境を再生させるための方策について、具体的には、例えば計画中のダムの全面的見直しとその代替案としての「緑のダム構想」の実現可能性および理論的裏づけについて
5 公共事業のあり方を定める「公共事業基本法」など、これまでに取り組んできた「公共事業コントロール法」を基礎とした、公共事業に関わる体系的な法整備について
6 公共事業の中止によって当該地域が被る損失の補償と新たな地域の振興策について
7 その他の必要な施策について                                                    

発表された答申など

2000年11月1日 第一次意見書「緑のダム構想」
2000年12月15日 中間答申 「公共事業を一から見直すために」
2001年3月 最終答申(その1)「公共事業の解体と再構築
2001年5月30日 最終答申 「ポスト公共事業」


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