新刊案内と写真展・展開のお願い

2001年9月11日  天野 礼子


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今年私が発刊した3冊の本のプロフィールを紹介します

1、「ダムと日本」(岩波新書刊) 2月20日発売
(田中康夫長野県知事の「脱ダム宣言」発表と同じ日という不思議・・・・)

ダムを中心として我国がなぜ土建国家として成長してきたかを表わしました。
私が13年間かかわってきた長良川河口堰問題は、その象徴として書きこみましたが、日本で一番新しいダム現地の事例や、欧米の河川事情の最新情報、かれらの国の河川開発の歴史も、日本とからめながら書き進めました。
今のところ、河川局からも、河川工学者からも苦情は届いておりませんが、最後のページに載せた竹村公太郎河川局長への「川を救う委員会」の提案にいまだにお返事がいただけていないのが残念です。

目 次
・ はじめに
・ 第1章 日本の風土と河川
一 日本は「川の国」
二 川をめぐる人々の暮らし
三 近代河川工法の移入
四 近代ダムの登場

・ 第2章 ダムの功罪―これまでのダムを検証する
一 水力発電が電気を造った
二 "大型ダム時代"の到来
三 利水としてのダム
四 近代河川工法とダムによる治水
五 漁業組合とダム建設
六 室原老と「蜂の巣城」の闘い
七 ダム建設と住民
八 川をめぐる生態系

・ 第3章 新しいダム反対運動の幕開け
一 最後の自然河川を守れ
二 長良川河口堰建設計画の経緯と歴史
三 "長良川NGO"の手法が全国に広まっていった
四 「公共事業チェック機構を実現する議員の会」の誕生
五 長良川河口堰の運用

・ 第4章 世界の河川開発の潮流
一 高橋裕さんの言葉
二 アメリカで学んだこと
三 "三途の川"からの生還
四 "世界の潮流"を教えた国際会議

・ 第5章 「河川行政の転換」から公共事業見直しまで
一 「河川法改訂」と「公共事業コントロール法案」提出
二 「公共事業チェックを求めるNGOの会」の成立
三 「時のアセス」と千歳川放水路事業の解決
四 国土交通省と「21世紀環境委員会」の誕生
五 地方財政の破綻
六 ヨーロッパで学んだこと
七 "亀井委員会"と"鳩山委員会"
八 ダム反対知事の誕生
九 国際シンポジウム「21世紀の公共事業のあり方を求めて」と建設省の大変身
十 川辺川に見える建設省のあせり
十一日本初のダム撤去なるか
十二河川局長への手紙

・ おわりに−二一世紀は川をどうするのか


2、「いらない・公共事業にレッドカード」(集英社刊) 7月10日発売

日本の問題ある公共事業を10ヶ所選び、それに象徴される問題点を書き込みました。
小泉改革が手をつけない「全総(全国総合開発)」などの問題点などの解説もし、「公共事業」初心者からベテランまで楽しめる内容と装丁にしたつもりです。絵本作家の村上康成さんがイラストを添えて下さいました。
それら10ヶ所の不要な公共事業をやめれば、その金でこんな自然再生事業ができるという提案も併せて書いています。
NGOにはぜひ、この自然再生事業を読み込んでもらいたいし、特に子供たちの未来をあずかるおかあさんたちには手にとってもらいたい。
また農水省が、このたびこの本についてイチャモンをつける公開質問状を出版社あてに送りつけてきました。本人に送ればよいものをわざわざ出版社に送るのは集英社が二度と天野礼子の本を出そうと思わないようにという圧力でしょう(まったく官僚のやることはなさけない)。
朝日新聞「窓」が「建設省のウソ」というコラムを載せた時、同じようなことを建設省河川局が朝日新聞論説委員会あてにやってきて大論争になりました。結局、朝日新聞社の方に軍配は上がったようでしたが、その数ヶ月間、コラムを書いた論説委員氏は、仕事になりませんでした。無意味な論争でおろかな時間浪費をくりかえしても仕方がないと対応を考えています。

目 次
・ まえがき

・ 諫早湾干拓
・ 自然再生のためのアイデア 海を豊かにする植林

・ 長良川河口堰
・ 自然再生のためのアイデア 大規模下水道より合併浄化槽

・ 下諏訪ダム
・ 自然再生のためのアイデア 遊水地

・ 川辺川ダム
・ 自然再生のためのアイデア 緑のダム構想

・ 吉野川第十堰改築
・ 自然再生のためのアイデア ふん尿浄化施設

・ 神戸空港
・ 自然再生のためのアイデア 豊島廃棄物処理

・ 大規模林道
・ 自然再生のためのアイデア 木質バイオマス発電

・ 臨海副都心開発(十六万坪埋め立て)
・ 自然再生のためのアイデア 雨水の有効利用

・ 整備新幹線
・ 自然再生のためのアイデア 路面電車の復活

・ 道路・巨大橋建設
・ 自然再生のためのアイデア 風力発電  


3、「ニッポンの川はすくえるか」(つり人社刊) 8月1日発売

「つり人」誌に一年間連載したものをまとめたもの。
長良川の運動を始めた時、ずぼらな釣人たちが手伝わないことにハラを立てましたが、川辺川などに象徴されるように、現実として河川局がダムについて同意を求めるのが水没現地と漁業組合である以上、やはり釣人に理解を求めるしかないと近年考え始めました。
自分も、師である開高健も、吉野川でがんばっている姫野さんも、川辺川の塚本さんも、釣師であったからこそ「川が見えた」。私こそ、川から(釣人から)逃げてはいけなかったのだという反省をこめて、全国のダム現地の、まだ全国版の新聞ダネになっていない現地を歩きました。
昨年はさまざまにいそがしい中で、死にものぐるいの連載でした。友人の社会派カメラマン・伊藤孝司さんの同行がなかったら、実行できていなかったでしょう。
日本で一番新しいニュースが書けていると考えていますので、ぜひ「釣人」ではない人にも読んでいただきたいし、多くのジャーナリストの皆さんの目にふれさせたいと願っています。

目 次

・ はじめに
・ ダム排砂が海を殺す 黒部川
・ "最後の清流"にまでダムはいらない 紀伊丹生川
・ 天然アユをとりもどせ 日高川
・ 絶対反対、貫け漁協! 川辺川
・ "最後の清流"をよみがえらせる 四万十川
・ 川は誰のものか 物部川
・ ヨーロッパで進む"川の再自然化"
・ "暴れ天竜"は憤死寸前 天竜川
・ 知事を変えた漁業組合 大芦川
・ ダム乱造に待った!田中康夫知事が目指すしなやかな行政
・ 次は長良川のゲートをあけるぞ 長良川
・ "命の水"は命を懸けて守る 筑後川
・ 釣り人は何をなすべきか
・ 公共事業は変わるか
・ あとがき

4、「ニッポンの川はすくえるか」写真展の案内

上記の本を、ホンダ、シマノ、ダイワと、(財)日本釣振興会の協力を得て、写真展にして全国を巡回させたいと考えたのが、以下の企画です。

45cm×45cmのパネル写真および文章が30数点。
メニューは、上記の本の目次にある河川などで、一河川につき二点(海外は三点)、プラス、本のまえがきとあとがきなど。

写真展の開催と同時に、筆者や「つり人社」の鈴木康友社長などを呼ぶ講演会などをNGO、漁協、自治体の皆さんでやっていただければ幸いです。

・ 写真の使用料は無料
・ 費用は往復の運送費(片道3300円)のみ
・ 申し込みは(財)「日本釣振興会」(にっちょうしん日釣振)
    東京都中央区八丁堀2の22の8の3F
    tel 03・3555・3232
    fax 03・5542・2941
・ 通常の宅急便よりも大型梱包のため、郵送には丸二日かかることを前提に「日釣振」へ申し込むこと
・ 「日釣振」は写真展を預かるだけ。発送は日釣振より着払いで着き、返信は元払いで日釣振へ送り返す。
写真展開催に間に合うように日釣振が発送してくれるように、くれぐれも各位で確認されることが必要。
・ 筆者への講演依頼は、本人へ直接申し込んで下さい。
    天野礼子  大阪市淀川区西三国4−3−11−401
    tel  06・6397・4800
    fax  06・6397・7570


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