シンポジウム「日本の山河と公共事業」
1997年9月13日(土) 会場 三重県長島町 輪中の里ホール
公共事業チェックを求めるNGOの会(405団体)
協力 全米野生生物連盟
後援 日本自然保護協会
世界自然保護基金日本委員会
日本野鳥の会
週刊金曜日
月刊「世界」
日本の公共事業は今、大きな曲がり角にきている。
建設省の長良川河口堰事業や農水省の諫早干拓事業などが、広範な市民とマスコミの大きな批判を受けるようになった。それは、戦後一貫して日本の森・川・海を「経済発展と市民生活向上」のかけ声のもとに破壊してきた「公共事業」をこのまま続けるよりも、残り少なくなった自然を大切にしたいという国民の気持ちの現れであり、「開発一辺倒」から「開発と環境保護のバランス」へと価値観が変化したことを示している。
さらに経済・社会状況の変化で、「公共事業」に投入された「予算」に見合う「便益」が期待できなくなったことや、「公共事業」を支えてきた国家財政全体が限界を迎えたことから、経済界からも改革を指摘する声があがり始めている。
しかし、開発官庁の官僚組織は、未だに「公共事業」を支配し、一旦計画された事業は見直されないまま、それ自体が目的化して暴走を続けている。こうした状況が、日本の森・川・海に巣くう官僚と族議員・土建業者の「公共事業マフィア」の利権の温床となっている。
私達はこの会議で、これまで日本の森・川・海で行われてきた公共事業を検証すると共に、橋本総理主導の「行政改革会議」の問題点をもあきらかにし、21世紀の日本のあるべき姿を模索し、「日本の山河」を国民の手に取り戻す道を見出したい。
10:00 開場 10:30 開演 1?:00終了 (敬称略)
総合司会:竹村泰子 公共事業チェックを実現する議員の会代表幹事/参議院議員
第一部 森・川・海からの基調報告 「不必要で自然破壊的な公共事業を検証する」
海から
・諫早干潟干拓問題と農水省 諫早干潟緊急救済本部代表 山下弘文
川から
・長良川河口堰問題と建設省 河口堰建設差止訴訟原告 村瀬惣一
・細川内ダム問題と建設省 徳島県木頭村長 藤田 恵
・"時のアセス"と北海道開発庁
北大地球環境科学研究科教授 小野有五
【 昼食 12:30 〜 13:30 】
森から
・大規模林道問題と林野庁 宇都宮大学名誉教授 藤原 信
湖から
・中海干拓問題と農水省 島根大学経済学部教授 保母武彦
【 休憩 14:35 〜 14:45 】
第二部 パネルディスカッション「公共事業と"行政改革会議"」 14:45〜16:45
司会:島根大学教授 保母武彦
基調提案:法政大学法学部教授 五十嵐敬喜
パネリスト:北海道大学法学部教授 宮脇 淳
自治労公営企業局長 岸 博志
岩波「世界」編集長 岡本 厚
法政大学法学部教授 五十嵐敬喜
公共事業チェックを求めるNGOの会代表 天野礼子